(ジークハルト様『呪い』で感覚がおかしくなってきてるのかな……普通は恥ずかしいよね? 幼い子でも、キャンディーは自分で食べるよね?)
ひとまず思考が限界に達し、エリザはルディオへ同意を求めた。
しかし大変驚いているだろうなと予想していたはずなのに、あろうことか彼は興味深そうに観察に徹している。
(おいコノヤロー)
やはり気になっているようで、もはや足を止めて貴族や騎士や兵達が見ている視線から逃げ出したくなった。
「え、えと……」
これだけ見ていたら、かえってジークハルトの評判を落としてしまったりしないだろうか?
彼が女性恐怖症だとかという事情を周りは知らない。どうしたら、と悩んだ末に、エリザは手の中のキャンディーを再び見下ろした。
その時、どこからか「ひぃっ」という声が聞こえた。
訝しく思って顰め面を上げると、十歩先にいた若い騎士二人組がひどく怯えきった表情で互いを抱き締め合っている。
それから、その向こうには回廊で足を止めていた人々が相変わらずいた。だが全員が青い顔をして震えており、エリザとぱちりと目が合うと突然「すみませんでしたぁ!」と慌ただしく走り去って行った。
ひとまず思考が限界に達し、エリザはルディオへ同意を求めた。
しかし大変驚いているだろうなと予想していたはずなのに、あろうことか彼は興味深そうに観察に徹している。
(おいコノヤロー)
やはり気になっているようで、もはや足を止めて貴族や騎士や兵達が見ている視線から逃げ出したくなった。
「え、えと……」
これだけ見ていたら、かえってジークハルトの評判を落としてしまったりしないだろうか?
彼が女性恐怖症だとかという事情を周りは知らない。どうしたら、と悩んだ末に、エリザは手の中のキャンディーを再び見下ろした。
その時、どこからか「ひぃっ」という声が聞こえた。
訝しく思って顰め面を上げると、十歩先にいた若い騎士二人組がひどく怯えきった表情で互いを抱き締め合っている。
それから、その向こうには回廊で足を止めていた人々が相変わらずいた。だが全員が青い顔をして震えており、エリザとぱちりと目が合うと突然「すみませんでしたぁ!」と慌ただしく走り去って行った。