「は、はい、見てました。今のは偶然、ちょうど目をそらしたタイミングだったと言いますか」
顔を支える手が耳をくすぐってきて邪魔された。話している途中でくすぐるのはやめて、とエリザは首をぴくんっと引っ込めつつ苦々しく思った。
すると通り過ぎていくメイドたちが、控えめながら「きゃーっ」と黄色い声を上げる。
(…ああ、また、見られた)
この人は、なんで先日からスキンシップ増なんだろうか。
ひとまず美麗な顔を見続けていると意識して変な胸の鼓動が増しそうな気がするので、ジークハルトの手から逃れる。
それから誤魔化すようにポケットからキャンディーを取り出し、素早く彼の手に握らせた。
「記録更新おめでとうございます、ジークハルト様。ご褒美のキャンディーをプレゼントしますね!」
意識して元気な声で伝え、すぐ手を引っ込めた。
だが、ものすごい速さでジークハルトに手を握り返されてしまった。
「んん?」
「ありがとうございますエリオ。ご褒美に、食べさせてくれますか?」
顔を支える手が耳をくすぐってきて邪魔された。話している途中でくすぐるのはやめて、とエリザは首をぴくんっと引っ込めつつ苦々しく思った。
すると通り過ぎていくメイドたちが、控えめながら「きゃーっ」と黄色い声を上げる。
(…ああ、また、見られた)
この人は、なんで先日からスキンシップ増なんだろうか。
ひとまず美麗な顔を見続けていると意識して変な胸の鼓動が増しそうな気がするので、ジークハルトの手から逃れる。
それから誤魔化すようにポケットからキャンディーを取り出し、素早く彼の手に握らせた。
「記録更新おめでとうございます、ジークハルト様。ご褒美のキャンディーをプレゼントしますね!」
意識して元気な声で伝え、すぐ手を引っ込めた。
だが、ものすごい速さでジークハルトに手を握り返されてしまった。
「んん?」
「ありがとうございますエリオ。ご褒美に、食べさせてくれますか?」