男だと勘違いしているうえ、本能的に女性だと勘繰って威圧感を覚えている相手にまさか本気で襲いかかろうとはしないはず……。

(こうなったらっ、ハッキリ言おう!)

 もうその方法しかないように思えた。

「ジークハルト様! とりあえず、丸っと全部勘違いなので落ち着いて欲しいです! それを証明できるので、まずは私の話を聞いていただけませんか!?」

 必死に叫んだら、ジークハルトの手がぴくっと反応した。ようやく手をエリザへと返してくれる。

「……勘違いとは、どういうことですか?」

 よし、聞いてくれるみたいだ。

 エリザは心の中でガッツポーズをした。とりあえず手を返してくれたのはいいものの、一緒に私の胸にあてないでくれないかなと内心どきどきした。

(横になっているとふくらみもさらに落ち着くとは家、女だとバレたら非常に怖い……!)

 この状態で彼が蕁麻疹でも起こすようなら、余計にややこしくなるのは目に見えている。

「えぇと、先程のお茶会ですが、ジークハルト様はクリスティーナ様に触ることができましたよね? 特に嫌悪感もなかったんですよね?」