とにかくなだめる方向で話した。

「うむ、たった一人の妹だ。大事にしたいに、幸せになってもらいたい」
「素敵なお考えだと思います」
「誤解で怒鳴りつけてしまって申し訳なかったな。今回で婚約が決まってしまうのかどうかも気になって……何か聞いているか?」
「いいえ、あまり話す機会がなかったのでその場を設けたい、とか」
「僕もそう聞いた。そうか、まだそういう段階ではないのか……」

 エリザは引き続き『敵にはなりません』という親しげな笑みを浮かべていた。それをレイヤがちらりと見た。

「……お前は僕を否定したりしないのか? 妹が一番大事なんて気持ち悪い、とか…………」
「え、性的に、という意味だったんですか?」
「なっ、違うに決まっているだろう!? ぼ、ぼぼぼ僕が妹とか断じて考えたことはないわ! 僕は、へ、変態じゃないんだぞ!」

 口から想いがそのまま出たのがいけなかったようだ。意外に初心なようで、真っ赤になって怒るレイヤの目が今にも泣きそうでエリザは慌てた。