(仕事を成し遂げたら、隣国までの渡航代まで支給してくれるというし)
敷地内ならバラ園以外はご自由に、と改めて告げてセバスチェンは去って行った。
「うーん、そっか、自由か……ならいい天気だし外を歩こうかな?」
エリザは、当初から気になっていた窓の向こうを見た。
クリスティーナは押しの強い令嬢ではない。ジークハルトに限界がきたらルディオがうまい具合に助け船を出し、休憩を入れる運びにもなっているので、茶会については大丈夫だろうと心配していなかった。
(うん。なら、少し気晴らししてこよう)
ルディオ頑張れ、といい顔で思って席を立った。
早速書庫を出て、使用人用の裏扉を目指した。だが、書庫から出るのを後少し遅らせればよかったかもしれない――と、書庫側の下に品がる屋敷の裏に出て後悔した。
開け放った扉の先に、見知らぬ美少年がしゃがんでいた。
雑草を一人でぷちぷちとつまんでは引っ張っていた彼が、ハッとして振り返り、エリザはばっちり目が合ってしまった。
敷地内ならバラ園以外はご自由に、と改めて告げてセバスチェンは去って行った。
「うーん、そっか、自由か……ならいい天気だし外を歩こうかな?」
エリザは、当初から気になっていた窓の向こうを見た。
クリスティーナは押しの強い令嬢ではない。ジークハルトに限界がきたらルディオがうまい具合に助け船を出し、休憩を入れる運びにもなっているので、茶会については大丈夫だろうと心配していなかった。
(うん。なら、少し気晴らししてこよう)
ルディオ頑張れ、といい顔で思って席を立った。
早速書庫を出て、使用人用の裏扉を目指した。だが、書庫から出るのを後少し遅らせればよかったかもしれない――と、書庫側の下に品がる屋敷の裏に出て後悔した。
開け放った扉の先に、見知らぬ美少年がしゃがんでいた。
雑草を一人でぷちぷちとつまんでは引っ張っていた彼が、ハッとして振り返り、エリザはばっちり目が合ってしまった。