毒牙なのかなんなのか、ゾワッとした正体は不明だが、男だと思っているのに『撫で回したい』という報告を聞かされたら警戒はする。
(というか、なぜ撫で回したいになる? あなたの蒸すのとは天と地の差がある恰好ですけれど!?)
つい、魔術師団のローブ、そこから覗く男性衣装のズボンを見やった。
その時、唐突にノック音が控えめにした。
まだ茶会が始まったばかりだろうにと思って振り返ってみると、扉を開けてきたのはセバスチャンだ。
「……足を上げて何をなさっておいでで?」
「すみません、品が悪いのは分かってます。自分のズボンスタイルが完璧なのを眺めていただけなんです」
彼は「どういう意味で完璧とおっしゃっているのか分かりかねますが」と、少し困ったような眉を寄せた。
「それで、何かありました?」
「旦那様から、薔薇園でなければ出歩いても大丈夫だとご許可をいただきました。せっかくの休憩ですし、いい天気ですから屋内だけでは申し訳ないと」
(というか、なぜ撫で回したいになる? あなたの蒸すのとは天と地の差がある恰好ですけれど!?)
つい、魔術師団のローブ、そこから覗く男性衣装のズボンを見やった。
その時、唐突にノック音が控えめにした。
まだ茶会が始まったばかりだろうにと思って振り返ってみると、扉を開けてきたのはセバスチャンだ。
「……足を上げて何をなさっておいでで?」
「すみません、品が悪いのは分かってます。自分のズボンスタイルが完璧なのを眺めていただけなんです」
彼は「どういう意味で完璧とおっしゃっているのか分かりかねますが」と、少し困ったような眉を寄せた。
「それで、何かありました?」
「旦那様から、薔薇園でなければ出歩いても大丈夫だとご許可をいただきました。せっかくの休憩ですし、いい天気ですから屋内だけでは申し訳ないと」