この一週間の王宮通いで、エリザはフィサリウスの他、ジークハルトの上司であるハロルドともよく顔を会わせるようになっていた。
数回目の顔合わせになるが、ハロルドの機嫌は良い。
それはここ一周間、ジークハルトが〝順調〟で平和を噛み締めているせい――らしい。
主に縁談目的だが、女性の話をしただけで部屋を破壊した男だ。
エリザとしては、ハロルドの心情を察して「まぁお役に立てて良かったです」と何度か答えていた。
その時、メイド達がワゴンを押して入室してきた。人数分のティーカップやケーキ、紅茶の替えや食器類を並べていく。
ジークハルトが、自然な動きでフィサリウスのいるソファの後ろへ回った。
いかにも護衛騎士らしい立ち位置で身を落ち着けたが、事情を知っている人間から見れば、その行動はただただ沈黙を誘った。
(うまく逃げたなぁ……)
涼しげな表情を、エリザはある意味感心して眺めてしまう。
メイド達は、手早く支度を整えると出ていった。
数回目の顔合わせになるが、ハロルドの機嫌は良い。
それはここ一周間、ジークハルトが〝順調〟で平和を噛み締めているせい――らしい。
主に縁談目的だが、女性の話をしただけで部屋を破壊した男だ。
エリザとしては、ハロルドの心情を察して「まぁお役に立てて良かったです」と何度か答えていた。
その時、メイド達がワゴンを押して入室してきた。人数分のティーカップやケーキ、紅茶の替えや食器類を並べていく。
ジークハルトが、自然な動きでフィサリウスのいるソファの後ろへ回った。
いかにも護衛騎士らしい立ち位置で身を落ち着けたが、事情を知っている人間から見れば、その行動はただただ沈黙を誘った。
(うまく逃げたなぁ……)
涼しげな表情を、エリザはある意味感心して眺めてしまう。
メイド達は、手早く支度を整えると出ていった。