その点も含めて、彼女はモテている実感などなく困惑する。
「……平凡顔で長所もないのに、好感を持たれるとかおかしくない?」
今のところ、男らしく振る舞った覚えもない。男の『エリオ』の人気があるというのも不思議だった。
「そうか? 顔も悪くないし、強い魔法使いって肩書きは、この国じゃそれだけ魅力的なんだよ。エリオは魔法使いなのに珍しくとっつきにくさもないし、真面目だし、変に魔法を振りかざしたりしないから安心だし。仕事が出来そうだから魔法騎士部隊が事務官に欲しい、って話していたのも聞いたぜ?」
ルディオの言い方からすると、他にも雇用話をしていたのがいそうだ。それから、男性としての『エリオ』のファンもいる、と――。
「私としては複雑なんだけど、仕方ないか……」
この国には、聖女の文化はない。
魔物を滅してしまう〝体質〟を説明しようにも、難しい。そして今は、女性恐怖症のジークハルト治療係だ。
「……平凡顔で長所もないのに、好感を持たれるとかおかしくない?」
今のところ、男らしく振る舞った覚えもない。男の『エリオ』の人気があるというのも不思議だった。
「そうか? 顔も悪くないし、強い魔法使いって肩書きは、この国じゃそれだけ魅力的なんだよ。エリオは魔法使いなのに珍しくとっつきにくさもないし、真面目だし、変に魔法を振りかざしたりしないから安心だし。仕事が出来そうだから魔法騎士部隊が事務官に欲しい、って話していたのも聞いたぜ?」
ルディオの言い方からすると、他にも雇用話をしていたのがいそうだ。それから、男性としての『エリオ』のファンもいる、と――。
「私としては複雑なんだけど、仕方ないか……」
この国には、聖女の文化はない。
魔物を滅してしまう〝体質〟を説明しようにも、難しい。そして今は、女性恐怖症のジークハルト治療係だ。