ジークハルトにとって、父の言う『治療係』は煩わしい存在だった。

『――話を聞く気はない。帰ってくれないか』

 あまりにも傲慢的な時は、我慢せず一言で〝治療〟とやらを終わらせた。何人も引き合わされてきたから、面談の顔合わせで無理だと感じたら『時間の無駄だ』と厳しく追い払った。

 友人のルディオから、非道だの冷たいだの言われるが気にならない。

 ジークハハルトが気に入らないのだから、自分のテリトリーである屋敷から追い出して何が悪いのか。

 どの治療係も意思疎通が立たず、成果が早々に現れずに挫折する者も続出した。

 そうやって、最後の治療係が三日と経たず辞めてしばらく経ったあと、新しい治療係がやって来た。

 父が見付けてきたその治療係は、ルディオと友人になったという異国の魔法使いだった。

 鮮やかな赤い髪と、ルビーみたいな瞳が目を引く少年だった。