直後、触れ帰る間もなく後ろから強い衝撃を受けて、エリザは「うぎゃっ」と前のめりになった。腰がずんっと重くなる。
「なんで僕のそばにいないんですかエリオ! こ、こここ怖かったんですよっ」
半泣きのジークハルトに、腰に抱きつかれていた。
どうにか足を踏ん張って転倒を免れたエリザは、その状況を理解するのにたっぷり数秒かかった。
思考は停止してしまったし、フィサリウスも顔が固まっている。
「振り返ったらフィーと離れたところにいるし! もう少し早めに気付いて助けてくれても良かったじゃないですかぁ!」
すでに腰が抜けているのか、ジークハルトはエリザの腰に縋るように抱きついたまま泣き出してしまった。
王太子を『フィー』と愛称で呼ぶくらいには、仲がいいらしい。
(……え? というか、大丈夫なの?)
大人がマジ泣き、という構図を考えている場合ではない。
ひどい女性恐怖症が、今、自分の腰をがっちりと抱き締めて顔をすり寄せているのだ。
「なんで僕のそばにいないんですかエリオ! こ、こここ怖かったんですよっ」
半泣きのジークハルトに、腰に抱きつかれていた。
どうにか足を踏ん張って転倒を免れたエリザは、その状況を理解するのにたっぷり数秒かかった。
思考は停止してしまったし、フィサリウスも顔が固まっている。
「振り返ったらフィーと離れたところにいるし! もう少し早めに気付いて助けてくれても良かったじゃないですかぁ!」
すでに腰が抜けているのか、ジークハルトはエリザの腰に縋るように抱きついたまま泣き出してしまった。
王太子を『フィー』と愛称で呼ぶくらいには、仲がいいらしい。
(……え? というか、大丈夫なの?)
大人がマジ泣き、という構図を考えている場合ではない。
ひどい女性恐怖症が、今、自分の腰をがっちりと抱き締めて顔をすり寄せているのだ。