「あなた様がこの国の王太子殿下だったとは知らず、本当に申し訳なく――」
「気にしなくていい。私としては少し〝興味深かった〟。かなり広く顔が知られているという認識でいたが。あ、そうそう、名前の件の返事を聞いていなかったね」
「えと……お好きにお呼びください」
第一王子フィサリウスが、ニヤリとした。
「それにしても、君の作った報告書はすごく読みやすい。私も拝見させてもらっている」
「え」
まさかの経由で彼にまでチェックされていることに、思考回路が白くなる。
「ジークは、私にとってなくてはならない騎士だからね。改善して欲しいと願っているんだ」
「あ、それで……」
「就任し数日だけど、どう? 順調そう?」
意外と気さくななお方であるようだ。
にこやかに首をかしげて問われ、エリザは思い返しつつ答える。
「はぁ、その、数日は観察と考察にあてましたので、本格的に動いたのはこの舞踏会が初めてです」
「気にしなくていい。私としては少し〝興味深かった〟。かなり広く顔が知られているという認識でいたが。あ、そうそう、名前の件の返事を聞いていなかったね」
「えと……お好きにお呼びください」
第一王子フィサリウスが、ニヤリとした。
「それにしても、君の作った報告書はすごく読みやすい。私も拝見させてもらっている」
「え」
まさかの経由で彼にまでチェックされていることに、思考回路が白くなる。
「ジークは、私にとってなくてはならない騎士だからね。改善して欲しいと願っているんだ」
「あ、それで……」
「就任し数日だけど、どう? 順調そう?」
意外と気さくななお方であるようだ。
にこやかに首をかしげて問われ、エリザは思い返しつつ答える。
「はぁ、その、数日は観察と考察にあてましたので、本格的に動いたのはこの舞踏会が初めてです」