最後の婚約者候補の令嬢は、自分からやって来た。
少し休憩を入れたいとジークハルトが言った矢先、休む暇もなく、大臣が声をかけて娘を寄こしてきたのだ。
(毎度、うまく逃げられていたせいだろうなぁ……)
結婚するかどうかはさておき、次の貴族世代同士の交流が必要なのは、ジークハルトを必死に引き留める大臣の様子を見て庶民のエリザも理解できた。
大臣の娘はエレノアと言い、ジークハルトと同じ十九歳だった。
好奇心の強い猫のような目をした活発そうな女性で、行動も言動も積極的だ。くるくると早変わりする表情も魅力的で、なんとも可愛らしい。
「わたくし、この前お父様と隣国へお呼ばれしておりましたの。それはもう素敵な時間で――」
女性らしい身体つきをした彼女は、胸の盛り上がりも自信たっぷりに見せつけて、堂々語る話し上手な女性だった。
しかし、ジークハルトにとって苦手な美女タイプだったようだ。
少し休憩を入れたいとジークハルトが言った矢先、休む暇もなく、大臣が声をかけて娘を寄こしてきたのだ。
(毎度、うまく逃げられていたせいだろうなぁ……)
結婚するかどうかはさておき、次の貴族世代同士の交流が必要なのは、ジークハルトを必死に引き留める大臣の様子を見て庶民のエリザも理解できた。
大臣の娘はエレノアと言い、ジークハルトと同じ十九歳だった。
好奇心の強い猫のような目をした活発そうな女性で、行動も言動も積極的だ。くるくると早変わりする表情も魅力的で、なんとも可愛らしい。
「わたくし、この前お父様と隣国へお呼ばれしておりましたの。それはもう素敵な時間で――」
女性らしい身体つきをした彼女は、胸の盛り上がりも自信たっぷりに見せつけて、堂々語る話し上手な女性だった。
しかし、ジークハルトにとって苦手な美女タイプだったようだ。