(い、いかんっ。変態だと思われてしまう! 別のことを考えるんだ私っ!)
今、エリザは『エリオ』という男なのだ。彼に不信感を抱かれたら信頼関係に響くし、治療係としてはまずいだろう。
エリザは顔の熱を冷まそうとした。
だが、一歩後退した瞬間、ジークハルトから助けを求める視線を寄こされた。
なんだろうと思って初めて彼の顔を直視して、驚いた。彼の微笑は、情けない感じで今にも泣き崩れそうになっている。
(『会話がもたないので助けて』、と露骨に伝えてきている気がする……)
こんな超絶可愛い美少女を前にして、会話が弾まないのも不思議すぎた。
「……えーと、ジークハルト様、そろそろ約束の方との時間が」
時間はまだ五分程度だが、彼を救うべく言った。
すると伯爵令嬢が、ジークハルトからエリザへ目を向けた。
「あの、気になっていたのですが、そちらはもしかして例の……?」
「彼は私の治療係になった【赤い魔法使い】の、エリオです」
今、エリザは『エリオ』という男なのだ。彼に不信感を抱かれたら信頼関係に響くし、治療係としてはまずいだろう。
エリザは顔の熱を冷まそうとした。
だが、一歩後退した瞬間、ジークハルトから助けを求める視線を寄こされた。
なんだろうと思って初めて彼の顔を直視して、驚いた。彼の微笑は、情けない感じで今にも泣き崩れそうになっている。
(『会話がもたないので助けて』、と露骨に伝えてきている気がする……)
こんな超絶可愛い美少女を前にして、会話が弾まないのも不思議すぎた。
「……えーと、ジークハルト様、そろそろ約束の方との時間が」
時間はまだ五分程度だが、彼を救うべく言った。
すると伯爵令嬢が、ジークハルトからエリザへ目を向けた。
「あの、気になっていたのですが、そちらはもしかして例の……?」
「彼は私の治療係になった【赤い魔法使い】の、エリオです」