森から道路側へとなぎ倒されていた木に関しては、馬車の邪魔になると思って森に放り投げた。

 こういう時は、怪力の指輪は本当に便利だと痛感するのだ。

 すると、当時また少年だった彼がぽかんと口を開けてエリザを見ていた。。

『……あの、もしかして【死の森】に住んでいるっていう〝恐ろしい赤い魔法使い様〟ですか? どうして小さいの?』
『初対面に向かって『小さい』とか失礼じゃない!?』
『魔法で縮んでるの?』
『おいコラああああああ! 私は元々このサイズだバカヤロー!』

 とにかく、ルディオの第一印象は『素直過ぎじゃない?』だった。

 振り払おうとしたら、わくわくして後ろをついてきた。

『おぉ、俺より身長が低い。子供じゃん』
『君だって子供じゃん。……訓練生?』
『うん、そう。どうしてフードを被ってるんだ? せっかく綺麗な髪なのにさ』
『悪目立ちするみたいだし、あまり宣伝して歩きたくないから』