明日もずっと君の隣に

 辿り着いてドアを開けると、今日も先生が迎え入れてくれる。毎日の様に通ってるから、先生の方も来る予定で受け入れてくれてるんだと思う。

「あらあら、相変わらず二人は仲良しね〜」

 そういう先生も相変わらずにこにこしていて、私達がここでお昼ご飯を食べる事を許してくれていた。しかも最近では“どうぞごゆっくり〜”と二人きりにしてくれたりまでして、今日もその通りでたった今、二人だけの保健室となった所だ。ここはすっかり私達の場所として定着していた。


「で、映画だっけ。どうする?」

 お弁当を広げて食べ始めると、食べ終わる頃に結城君が声を掛けてくれた。多分私が話題に出さなかったからだと思う。
 出さなかった……というか、出せなかったのだ。他に気になる事があったから。

「あー、うん。それもだけど……」
「ん?」
「……結城君、大丈夫?」
「大丈夫って?」
「体調。悪くない?」

 すると、様子を窺う私の質問にはいつも通り、結城君から大丈夫だと返ってきた。
 そうだと思う。そう言うと思う。思うけど……でも、違うよね?

「結城君、体調が悪いんじゃないの? 学校来るの遅かったのってそれが理由じゃない?」
「違う違う。恥ずかしながら朝起きれなかっただけ」
「でもなんか様子がおかしいよ。だって結城君、ずっと笑顔が固い」
「……え?」
「私、分かるよ。だって結城君の笑顔、大好きだから……」

 今日会った時からそうだった。ずっとどこかぎこちなくて、無理して作ってる様に見える。まるで笑顔を見せないといけないみたいに。

「私、笑ってる結城君好きだけど、笑ってなくても大好きだよ。体調悪いなら無理しないで。映画も、もっと元気になったら行こう」
「全然そんな事ないって。穂高さんが居れば元気になるし、穂高さんと出掛ける予定立てる約束だったじゃん」
「じゃあ居ない時は辛かったの? でも約束してたから来てくれたの?」
「……違うって。俺は全然平気」

 結城君は、受け入れる素振りを見せない。まるで拒絶してるみたいだ。これ以上踏み込まないで欲しいとでもいう様に。教えたくないとでもいう様に。
 ちょっと体調が悪いんだって言う事も出来ないくらいの何かがあるの?
 そこに隠れた何かがある気がしてたまらない。