明日もずっと君の隣に

 私の質問に、「あ、澪おかえり〜」というのんびりとした返事と共に、あれ?と、みんなが首を傾げる。

「出てったまま帰って来ないけど、澪が知ってるんじゃないの?」
「澪探しに行ってるんだと思ってた」
「え……一回も会ってないけど……」

 私を探しに行くって?

「でも結城君と一緒だって伝えたよ」
「え、マジ? 結城と居たの? だったら私も行ってたのに!」
「結城と澪がどんな感じなのか気になり過ぎる!」
「でも穂乃果そういうテンションでは無かったよね」
「まぁ今日機嫌悪いからなー」

 分かる分かるとみんな頷いていて、穂乃果ちゃんの様子に気付いていたのが私だけじゃない事に驚いた。だってみんな、そんな穂乃果ちゃんを前にしても私とは違って、いつも通り何も変わらなかったから。
 みんなは、怖くないのかな。

「機嫌悪いなって感じたら、なんとかしなきゃって思わない?」

 知りたいと思うと、思いは質問になって口を出ていた。ただ、それは思っていた訊き方とは違って。

「あ、しなきゃいけないとか、してあげなよって強要してる訳じゃないよ。そうじゃなくて……こう、私のせいかなって感じちゃうというか、嫌われたんだって思って怖くなったりして、機嫌が治るまで色々考えちゃったり……し、しないよね、みんなは」

 考えを口にしながらふと周りを見ると、みんなが何言ってんだろうという顔をして私を見てるのが分かって、あ、違うんだとすぐに分かった。みんなはこんな風に感じないし、こんな事を言い出した私を意味が分からない奴だと思ってる。

「ごめんね。私、変な事言ってるよね」
「いや変ではないけど、気にし過ぎじゃない?と思った」
「そ、そうだよね。気にし過ぎ、」
「だからかーって。澪って全然自分の事言わないし、めっちゃ顔色窺ってるとこあるもん」
「分かるー。言いたい事あるなら言えば良いのにって。そっかあれ、怖がってたんだ」

 そしてなるほどねぇという、なんだか感心している様な空気感に包まれる。
 え……え?

「ウザくないの?」

 良くは思われてない様な言い方だったと思う。でも、みんな納得して今までの私の答え合わせをしてくれてる感じで。

「うーん、まぁウザい時もあるけど別に、そんなもんじゃない?」
「そんなもん?」
「うん。だってそれって澪だけの話じゃないっていうか。私もそうだと思うし、穂乃果だって今日そうじゃん」
「嫌なとこない人なんて居ないよね」
「全部見せてるからね。逆に少し隠した方が良いまである」