もうすぐ昼休みが終わる。複雑な思いを抱えながらもお弁当を片付けて、先生に挨拶をすると結城君と一緒に保健室を出た。そしてそのまま二人で教室へと向かう。
 教室が近づくにつれて、緊張感が高まって心臓がドキドキと忙しなく動き出す。固くなる身体で縋る様に隣を見ると、心配そうに私を見る結城君がそこにいて、気持ちが繋がった様な感覚にホッと心の緊張を解せた。

 結城君はここに居る。大丈夫。

「私、頑張るよ」
「うん。でも無理はしないで良いと思う」
「無理してないよ。新しい私だから大丈夫。結城君が言ってくれなきゃまた逃げてたから、これも結城君のおかげ」
「……じゃあこれを頑張ったらまた俺達の明日は新しくなるね」

 結城君が言ってくれた言葉にぐっと心に力が湧いてくる。今ならきっと出来る。頑張れる。

「また夜連絡してもいい?」
「いいよ。いつでも」
「泣きつくかもしれない」
「大歓迎ですよ」

 そんな冗談を言って笑ってくれる結城君に、今度はぎゅっと胸が苦しくなる。あぁ、頑張ろうって思う。

 そして、よし、と気持ちを切り替えて結城君とは別々に教室に入ると、いつもの集まっているメンバーの中に顔を出し……あれ?

「穂乃果ちゃんは?」