「澪、大丈夫?」
「びっくりしたよ〜」
やって来た彼女らは口々に私の心配をしてくれて、それに「大丈夫だよ」「私もびっくりだったよ」と答えながら、心配して貰えた事に喜んでいる自分がいた。素直に有難いなと思うと、強張った身体から力が抜けていくのが分かった。
「過呼吸ってやつだったんでしょ? 聞いた事ある」
「うん」
「なんでなったの? 疲れ? あ、昨日言ってた睡眠不足?」
「うん、多分そんな感じ」
「やば、睡眠不足解消しなきゃじゃん。早く寝ろー」
「てかなんで寝れないん? 悩み事?」
「…………」
悩み事?と言われて、サッと言葉が出てこなかった。そうそう、悩み多くて〜なんて、軽いノリで返しておけば良かったのに。
「え、マジなやつ? だったら言ってみな、溜め込むの良くないよ」
「そうそう、悩みは人に話すのが一番!」
なんて、心配してくれた流れから今ここで言ってごらんという展開になってしまった。最悪な状況だ。だって人間関係で……なんて言ったって私の人間関係なんてたかがしれてる。だっていつも一緒に居るんだから。ここ以外に私の世界なんてないんだから。そうなってしまえば、結果的に彼女らの事だとすぐに結びついてしまう。
どうしよう、どうしよう。こうしている間にも時間は過ぎていく。彼女らの早いテンポからしたら今のこの無言の時間は果てしない長さだ。このままではもっと悪い方へ行ってしまう、
「あれ? もしかして言えない感じ?」
「! い、いやっ、そういう事じゃ」
やっぱり! 言えない事を責めようとしてる! どうしよう、どうすれば……!
「穂高さん」
「! あ、」
ぐいっと腕を引かれて見上げれば、女子の輪の中に一歩踏み込んだ結城君の真っ直ぐな視線が私に向けられていた。立ち上がった彼が私の腕を掴んでいる。
「俺、体調悪いわ」
「え?」
「保健室行くから一緒に来て」
「え⁉︎ あ、うん分かった」
ちょっとごめんねと、先生の方まで行って事情を説明すると、やれやれといった顔で先生は了承してくれたので、真顔で壁にもたれかかっている結城君の元へ駆け寄ると、そのままみんなに謝りながら私と彼は体育館を出ていった。
「びっくりしたよ〜」
やって来た彼女らは口々に私の心配をしてくれて、それに「大丈夫だよ」「私もびっくりだったよ」と答えながら、心配して貰えた事に喜んでいる自分がいた。素直に有難いなと思うと、強張った身体から力が抜けていくのが分かった。
「過呼吸ってやつだったんでしょ? 聞いた事ある」
「うん」
「なんでなったの? 疲れ? あ、昨日言ってた睡眠不足?」
「うん、多分そんな感じ」
「やば、睡眠不足解消しなきゃじゃん。早く寝ろー」
「てかなんで寝れないん? 悩み事?」
「…………」
悩み事?と言われて、サッと言葉が出てこなかった。そうそう、悩み多くて〜なんて、軽いノリで返しておけば良かったのに。
「え、マジなやつ? だったら言ってみな、溜め込むの良くないよ」
「そうそう、悩みは人に話すのが一番!」
なんて、心配してくれた流れから今ここで言ってごらんという展開になってしまった。最悪な状況だ。だって人間関係で……なんて言ったって私の人間関係なんてたかがしれてる。だっていつも一緒に居るんだから。ここ以外に私の世界なんてないんだから。そうなってしまえば、結果的に彼女らの事だとすぐに結びついてしまう。
どうしよう、どうしよう。こうしている間にも時間は過ぎていく。彼女らの早いテンポからしたら今のこの無言の時間は果てしない長さだ。このままではもっと悪い方へ行ってしまう、
「あれ? もしかして言えない感じ?」
「! い、いやっ、そういう事じゃ」
やっぱり! 言えない事を責めようとしてる! どうしよう、どうすれば……!
「穂高さん」
「! あ、」
ぐいっと腕を引かれて見上げれば、女子の輪の中に一歩踏み込んだ結城君の真っ直ぐな視線が私に向けられていた。立ち上がった彼が私の腕を掴んでいる。
「俺、体調悪いわ」
「え?」
「保健室行くから一緒に来て」
「え⁉︎ あ、うん分かった」
ちょっとごめんねと、先生の方まで行って事情を説明すると、やれやれといった顔で先生は了承してくれたので、真顔で壁にもたれかかっている結城君の元へ駆け寄ると、そのままみんなに謝りながら私と彼は体育館を出ていった。



