反省してしょんぼりしつつ、もう教室に戻る事を伝えようと先生の方へと目を向けた、その時だった。
「もう戻るの?」
その問いに、声がした方を見る。すると私をじっと見つめる彼と目が合った。
「う、うん……もう落ち着いてるから」
「…………」
そう答えると、結城君は少し悩む様に考えながら、「じゃあ俺も行く」と言う。
「……え?」
「俺も行く。同じクラスでしょ?」
「そうだけど……え、良いの?」
体調悪いんじゃないの? そういう意味の、良いの? だったんだけど、結城君に伝わったのか伝わってないのか、彼はさらりと頷くと、私の横を通り過ぎてドアの方へ向かう。
え? ……え?
何が起こってるのか分からなくて、補足を求めて先生の方を見ると、ニッコリ笑った先生がいってらっしゃいと手を振って私達を見送っていた。どうやら一緒に教室へ戻る事が今の私の正解らしい。
扉の前で待ってくれている結城君の元へ急いで追いつくと、「次体育なの知ってる?」と、自然な流れで私に声を掛けてくれて、そのまま横並びになって私達は歩き出した。
「そうだ、体育だ。急いで着替えないと」
「出るの? やめとけば?」
「? でももう元気だし……」
「わー、真面目だ」
その言葉に、ムッとして彼を見ると、「違う違う、褒めてんの」と、それこそ真面目な顔で返された。
「ちゃんと頑張る人なんだなと……だから心配」
「?」
「頑張り過ぎはよくないよと思って。あんな目にあったんだから、その後の体育くらい休んでも誰も文句言わないよ」
「…………」
……確かに。当然参加するつもりでいたけど、他の教科ならまだしも、ましてや体育な訳だし……。
「……見学、してみようかな」
なんとなく、いつもの私では絶対に選ばない方の選択肢を取ってみたくなった。出来るのにやらないのは悪い事だし、先生やみんなを騙してる様な気がして後ろめたい気持ちもあるけど、なんだか、やるなら今だ、みたいな気持ちが私を後押しした。今なら念の為の見学、という言い訳も真っ当な理由になる訳だし。
「もう戻るの?」
その問いに、声がした方を見る。すると私をじっと見つめる彼と目が合った。
「う、うん……もう落ち着いてるから」
「…………」
そう答えると、結城君は少し悩む様に考えながら、「じゃあ俺も行く」と言う。
「……え?」
「俺も行く。同じクラスでしょ?」
「そうだけど……え、良いの?」
体調悪いんじゃないの? そういう意味の、良いの? だったんだけど、結城君に伝わったのか伝わってないのか、彼はさらりと頷くと、私の横を通り過ぎてドアの方へ向かう。
え? ……え?
何が起こってるのか分からなくて、補足を求めて先生の方を見ると、ニッコリ笑った先生がいってらっしゃいと手を振って私達を見送っていた。どうやら一緒に教室へ戻る事が今の私の正解らしい。
扉の前で待ってくれている結城君の元へ急いで追いつくと、「次体育なの知ってる?」と、自然な流れで私に声を掛けてくれて、そのまま横並びになって私達は歩き出した。
「そうだ、体育だ。急いで着替えないと」
「出るの? やめとけば?」
「? でももう元気だし……」
「わー、真面目だ」
その言葉に、ムッとして彼を見ると、「違う違う、褒めてんの」と、それこそ真面目な顔で返された。
「ちゃんと頑張る人なんだなと……だから心配」
「?」
「頑張り過ぎはよくないよと思って。あんな目にあったんだから、その後の体育くらい休んでも誰も文句言わないよ」
「…………」
……確かに。当然参加するつもりでいたけど、他の教科ならまだしも、ましてや体育な訳だし……。
「……見学、してみようかな」
なんとなく、いつもの私では絶対に選ばない方の選択肢を取ってみたくなった。出来るのにやらないのは悪い事だし、先生やみんなを騙してる様な気がして後ろめたい気持ちもあるけど、なんだか、やるなら今だ、みたいな気持ちが私を後押しした。今なら念の為の見学、という言い訳も真っ当な理由になる訳だし。



