何件もコメントが来ており、上の方から順に見ていく。
『手紙とあとファッション系の何か』
「ファッション…カラスくん好きかな」
色々と考えていると、なんだか疲れてきてしまった。画面を閉じて、ふぅ、とため息をつく。
夏は苦手な方だ。暑い。蒸してる。うんざりする。なのにたくさん行事があって、みんなが嫌にならないで長年続いているのが不思議だ。
「…あっつ。アイス食べたいな」
私は家を出て、近くのコンビニへ行く。
「いらっしゃいませー」
店に入った瞬間、ものすごく涼しい空気がぶわっと私を包み込んだ。思わず頬が緩みそうになる。
私は迷わずアイスコーナーに直行し、どんなものがあるかしっかり見る。だいたいのものは見えるようなところに置いてあるが、そんなものに埋もれて奥深くに眠っているアイスもしっかりチェックする。ひんやりとする手なんか無視だ。
「どれにしよう…」
一応、3つ候補は決めた。コンビニオリジナルの乳酸菌入りホワイトアイスにするか。ここはあえて幼少期に戻ったようにソーダ味のアイスバーにするか。それとも疲れた体に必要なオレンジシャーベットにするか。
究極の選択の時。私じゃ決められない時の必須方法は。
「どーれーにしよーうかなてーんのかーみーさーまーのいうとおり!」
これに賭けるしかない!!
人差し指が止まった方を見ると、
「オレンジシャーベット、だ!」
私はオレンジシャーベットを手に取り、レジへ向かった。
ピッ、と音を鳴らし、金額を言われる。けれど、レジの脇に置いてある一口サイズのお菓子がどうも気になり、結局それも買ってしまった。
コンビニのエアコンで免疫はついたものの、きっと外は暑い。アイスも私も溶けてしまう前に、早く帰ろう。私は会計を済ませ、早歩きで家へと向かった。
「ただいま」
誰もいない家に独り言を発し、手洗いうがいをして、自分の部屋へ行く。
ビニール袋からオレンジシャーベットと店員さんが付けてくれた木のアイススプーンを取り出し、意味もなくカーテンを開ける。
青い空が見える。このアパートに住んで一番よかったと感じるものは、この景色だ。
海が見えるとかの絶景とはほど遠いけれど、なんだかふと、見たくなる。私の部屋があるのは最上階の5階だ。
住宅地。公園。さっき行ったコンビニ。高い建物が少ないからこそ、この景色は見える。
目の前にある、空。
何回見ても飽きない。これはこの家の特権だ。私の特権だ。
オレンジシャーベットのふたを開け、アイススプーンで一口分すくう。シャリ、と音を立てて、オレンジ色の微細氷が煌めく。
口に入れると、すっと溶ける。その間だけでも、オレンジの元気な力強いパンチが口の中を占領して、また一口ほしくなる。
ベットに置きっぱなしのスマホ。つけたままの扇風機。この部屋に舞い踊る、蒸し暑い空気。
こんな生活が、こんなあたりまえが、なぜか今日は、愛おしく感じた。
そんなことを思いながら、なぜか買った一口サイズのお菓子のフィルムを優しくはがした。
『手紙とあとファッション系の何か』
「ファッション…カラスくん好きかな」
色々と考えていると、なんだか疲れてきてしまった。画面を閉じて、ふぅ、とため息をつく。
夏は苦手な方だ。暑い。蒸してる。うんざりする。なのにたくさん行事があって、みんなが嫌にならないで長年続いているのが不思議だ。
「…あっつ。アイス食べたいな」
私は家を出て、近くのコンビニへ行く。
「いらっしゃいませー」
店に入った瞬間、ものすごく涼しい空気がぶわっと私を包み込んだ。思わず頬が緩みそうになる。
私は迷わずアイスコーナーに直行し、どんなものがあるかしっかり見る。だいたいのものは見えるようなところに置いてあるが、そんなものに埋もれて奥深くに眠っているアイスもしっかりチェックする。ひんやりとする手なんか無視だ。
「どれにしよう…」
一応、3つ候補は決めた。コンビニオリジナルの乳酸菌入りホワイトアイスにするか。ここはあえて幼少期に戻ったようにソーダ味のアイスバーにするか。それとも疲れた体に必要なオレンジシャーベットにするか。
究極の選択の時。私じゃ決められない時の必須方法は。
「どーれーにしよーうかなてーんのかーみーさーまーのいうとおり!」
これに賭けるしかない!!
人差し指が止まった方を見ると、
「オレンジシャーベット、だ!」
私はオレンジシャーベットを手に取り、レジへ向かった。
ピッ、と音を鳴らし、金額を言われる。けれど、レジの脇に置いてある一口サイズのお菓子がどうも気になり、結局それも買ってしまった。
コンビニのエアコンで免疫はついたものの、きっと外は暑い。アイスも私も溶けてしまう前に、早く帰ろう。私は会計を済ませ、早歩きで家へと向かった。
「ただいま」
誰もいない家に独り言を発し、手洗いうがいをして、自分の部屋へ行く。
ビニール袋からオレンジシャーベットと店員さんが付けてくれた木のアイススプーンを取り出し、意味もなくカーテンを開ける。
青い空が見える。このアパートに住んで一番よかったと感じるものは、この景色だ。
海が見えるとかの絶景とはほど遠いけれど、なんだかふと、見たくなる。私の部屋があるのは最上階の5階だ。
住宅地。公園。さっき行ったコンビニ。高い建物が少ないからこそ、この景色は見える。
目の前にある、空。
何回見ても飽きない。これはこの家の特権だ。私の特権だ。
オレンジシャーベットのふたを開け、アイススプーンで一口分すくう。シャリ、と音を立てて、オレンジ色の微細氷が煌めく。
口に入れると、すっと溶ける。その間だけでも、オレンジの元気な力強いパンチが口の中を占領して、また一口ほしくなる。
ベットに置きっぱなしのスマホ。つけたままの扇風機。この部屋に舞い踊る、蒸し暑い空気。
こんな生活が、こんなあたりまえが、なぜか今日は、愛おしく感じた。
そんなことを思いながら、なぜか買った一口サイズのお菓子のフィルムを優しくはがした。