ピピピピ ピピピピ
あー。眠い。
のろのろと布団から起き上がり、カーテンを開ける。
窓の外に広がるのはなんとも冴えない曇り空。
思わずため息をつく。
バーン!
「うわぁっ!」
爆発するかのような音を響かせて扉が開いた。
そこに立っているのは早く起きなさいと言うお母さん…ではなく、息を荒くしたお姉ちゃん。
「何お姉ちゃん朝から!」
「あんたぁ、断ったんだって!?」
「え。うん。」
何を言い出すのかと思えばこれだ。
全く妹の恋愛事情になんて口出ししないで欲しいんですけどー。
「なんで!?」
「タイプじゃない。」
「会ってもないのにわかんないでしょ!」
「告白は直接派なの。」
「そっちか……。」
予想外の私の答えに頭を抱えるお姉ちゃん。
「わかった。じゃあ直接告らせよう。」
急に顔を上げて部屋をダッシュで出ていった。
いやいや告らせようって…。
「ひーーよりーーー!!!9時にあそこの川の橋のとこで待ち合わせねーーー!!!」
「いや何勝手に決めてるの!嫌だよ!行かないよ!」
ってかもうすぐじゃんっ。
「もう行くって言っちゃったよ〜?」
「いやだ。」
「駄々こねないの。多分海音くんずっと待ってるよ?」
「……。」
「あーあ。昨日シフト変わってもらったからその借りで告白の呼び出しさせられたのに。これで陽愛が来なかったら顔向けできないなー。」
「人を勝手に自分の借りを返すのに使わないでよ。」
「ほら。会ったら知り合いだってわかるかも知れないし。」
……確かに。
とりあえず、行くだけ行くか…。
すぐそこだし…。
あんこの散歩がてら…。
ブツブツと言い訳をしながら私は家を出た。