「いや……彼女が魔女だったらちょっとびっくりするよね……」

「だから先に言ったのに」

ふんす、と永久子はちょっと怒っているようだ。

それに気づいた和仁は慌てて謝った。

「ごめん、けなす意味じゃないんだ。ただ、そういうのって本当にいるのかなって確認したくて……夢宮も、昨日中二って思われるって言ってたし」

「永久子」

「ん?」

「永久子。はい、呼んで」

「え、あ、……と、とわこ……」

「もっと慣れてね? せめて一週間の間には」

「……うん」

一週間。それが、二人が決めたお試し期間だった。



「和仁、帰ろ」

「うん」

――お試し付き合いが始まって二日目。放課後まで特に問題もなく過ぎた。

和仁は友人の背押しがあって告白したため、経緯を知っている友人たちには冷やかされたが、ほかから悪く言われるようなことはなかった。

永久子の友人も、永久子が和仁と距離が近いことは知られていたので、にやにやされたくらいだ。にやにやされていたたまれなかったけど。

「ねえ、手でもつなぐ?」

「えっ」

「なにそのびっくり反応。告白してきたの和仁なのに」

永久子はくすくす笑っている。

「そ、それはそうなんだけど……そういうのはちゃんと付き合ってからというか――」

「和仁って真面目ね。でもそれ、和仁にかかってるんだからね?」