朝食を国王様を含め皆で取った後、僕達は大広場に集まった。
「いやはや馬車の必要が無いと聞いた時は驚いたよ」
そう切り出したのはミミス国王。
ここリーアウド王国の国王様だ。
「ユリア君が凄いスキルを見つけたって言ってたけど、どんな魔法なの!? 」
興味津々といった様子でユナが僕の手をぶんぶんと振ってくる。
「うむ、確かに気になるのじゃ。……して予想はついておるのじゃがな」
「もう十分驚かされてきたから多少の事じゃ驚かないよ〜? 」
「ユリア様の凄いスキル気になります……! 」
バハムートさん、師匠、ミユが次々に言う。
あの皆さん? そこまでハードル上げられると怖いんですが。
今更ながら不安になってきた。
やっぱり辞めようかと思ったが、国王まで見物に来ていて「やっぱ辞めます」なんて言おうものなら首が飛びかねん。
《クリエイティブモード》を信じよう。
《クリエイティブモード》を発動し、《スキルの書》の欄をタップする。
そして《空間転移》を発動させる。
『座標を指定してください』 声とともにお馴染みの半透明のウインドゥが現れる。そこにはここを真上から見た図が表示されていた。
うーん、そうだな。とりあえずユナの後ろに転移してみるか。 ユナの直ぐ後ろをタップする。
するとーーー 一瞬で景色が切り替わり、ユナの背中があった。
ぽんっ、と肩を叩いてみる。
「ユリア君が消え……わきゃぁぁぁぁ!? 」
飛び上がって後ろを振り向くユナ。
「お、驚かせてごめん。これが皆に見せたかったスキルだよ」