一ページ

その先は真っ暗な所で物などが置いてある

樹「一体どうなっているのだ」

そして樹の目の前には押せば開きそうな扉があった

樹はその扉を叩く感じで押すとその扉は勢いよく開いた

二ページ

そこから出ると知らない誰かの部屋に出た

樹「ここは何処だ…」

後ろを振り返ると樹は誰かの部屋のクローゼットの中にいたことがわかった

そしてクローゼットの中の壁にも先ほどと同じブラックホールみたいな穴があった

樹はその穴を不思議に思いまたその穴に触ると吸い込まれた

三ページ

吸い込まれた先は自分の家に押し入れに戻ってきたのだ

樹は何か思いついた顔をする

樹「これはもしかしてワープの穴?」

また樹は不思議な穴に触ると先ほどのクローゼットの中に放り出された

樹「これは間違いないな」

四ページ

樹(自宅のアパートの押し入れに穴が空いていて隣の住人の部屋に来たわけではなさそうだな)

樹(この今いる部屋は洋室で自宅のアパートは和室だからな)

樹はその部屋を出て家を探索し始めた

その家には今は誰もいないことに気付く

五ページ

樹は窓の先を見ると緑豊かな草原や山などが見えており本当にワープしたということに実感した

ただ樹は一つ思うことがある

樹「ここは何処だ、日本なのか海外なのか…」

台所を見ると見たことない食材が並んでいる

六ページ

樹はその家から出て周りを見渡す

樹「やっぱりわからないな、ここは何処なのか示すものがあればいいのだけど」

樹は一旦、家の中に戻る

樹はここは何処なのか数分考え込んでいると玄関のドアが開いた

リリーシャ「ちょっとあなた誰よ、勝手に人の家に入り込んで!」

七ページ

樹「いや!あなたの家のクローゼットと自分の家の押し入れがワープの穴で繋がっているらしくて!」

リリーシャ「あーなんだ、あの汚い部屋の住人、あなただったんだ」

樹「えっ!?もしかして自分の家に来たことが…」

リリーシャ「あるあよ、ある日突然クローゼットを開いたらなんか不気味な黒い穴があってびっくりしたわ」

リリーシャ「それでさらにびっくりしたのはその穴の先よ!」

八ページ

リリーシャ「部屋の足場がないくらいにゴミが散らかっているんだもん」

樹「いや実は自分、漫画の編集者をやっていて残業が多くて家に帰ってきてクタクタで掃除する気力とか無くてあんな感じになってしまったんですよね…」

リリーシャ「えっ!あなた漫画の編集者やっているんだ!私、漫画好きだから漫画の編集者ってあこがれの存在なのよね!」

リリーシャ「漫画の編集者ってすごいわよね、売れそうな漫画を数多くから見つけて出して世に送り出すなんて!」
リリーシャは目をキラキラさせながらそう言った。

九ページ

リリーシャ「やっぱり地球人の描く漫画はおもしろいわね」

樹はリリーシャのある言葉に違和感があった

樹「ん?地球人?」

リリーシャ「そう、この私が住んでるメガロンではクオリティが高い漫画ないもの」

その時、樹はあることに気付いた顔をした

十ページ

樹(ということは自分の家の押し入れにある不思議な穴は地球の何処かへ繋がったんじゃなくて異世界に繋がったのか)

樹「ここ、地球じゃなかったのか」

樹(そうえいば台所に見たことない食材があるなと思ったらそういうことか)

リリーシャ「あなた、ここがメガロンだと知らなかったの?」

樹「まさか久しぶりに家に帰ってきたら自宅の押し入れが違う世界と繋がっているとは思わないよ」

十一ページ

リリーシャ「そういえばあなたの部屋から地球に遊びに行く時、いつも誰もいなかったわね、何でいなかったの?」

樹「実は…」

樹はこれまでの事情を悲しそうに話す

リリーシャ「それは…ご愁傷様です」
リリーシャは気まずい顔でそう言った

十二ページ

リリーシャ「それでよかったらお茶どう?ご馳走するわよ」

リビングにて、樹はテーブルの椅子に座りリリーシャは台所で魔法を使い火を起こし湯を沸かす

樹はリリーシャが魔法使う姿を見て本当に異世界に来たんだなと思った

樹(すごい、魔法だ)

十三ページ

樹「この世界の人は魔法が使えるのですね」

リリーシャ「そういえば、地球の人たちは魔法が使えないだっけ、そうだといろいろ不便じゃない?」

樹「そうですね、たしかに簡単に火を扱えたら便利だと思います」

数十分後

お茶ができリリーシャは樹にお茶を差し出す

樹「どうも」

十四ぺージ

リリーシャは樹と対面になりようにテーブルの椅子に座る

リリーシャ「そういえばあなたの名前は?」

樹「自分は長谷川 樹といいます」

リリーシャ「私はアーロン リリーシャ 十八歳!」

十五ページ

樹(えっ、自分、十歳下にタメ口で話されていたのか、自分もため口でいいか)

リリーシャ「それで樹は漫画の編集者をやっているって言ったけど具体的に何やっているの?」

樹「漫画家さんの原稿チェックで誤字脱字はないか確認して印刷所へ回したり新人漫画家の発掘で賞で送られてきた作品に目を通したりしているよ」

リリーシャ「賞に送られてきた作品を一つ一つ読むのは大変じゃないの?」

十六ページ

樹「そりゃ大変に決まっているよ」

樹「それで送られた作品の中には完結していないまだ描き途中の漫画をたまに見かけるね」

リリーシャ「ふーん、そうなんだ」

リリーシャ「それでどうして漫画編集者になったの?」

十七ページ

樹「子供の頃から漫画が好きでそれで漫画に関わる仕事に就きたいと思ったんだよね」

リリーシャ「じゃあ就きたい仕事に就けてよかったじゃん」

樹「それはそうなんだけど、思った以上に仕事が大変で息抜きで何処かでゆっくりしようにも忙しくてできないから今の仕事、就けてよかったかよくわからないんだよね…」

そう言うとリリーシャは何かひらめきこう言う

リリーシャ「それならメガロンにいつでも遊び来て息抜きすればいいじゃん」

十八ページ

樹「たしかに、押し入れからすぐだからね」

リリーシャ「ここなら田舎でのんびりできそうだよね」

樹「普段は現実世界で働き週末はメガロンでゆっくりのんびりする。悪くない」
樹はうれしそうにそう言う。

十九ページ

クローゼットのワープの穴の所にて

樹「今日はありがとう、リリーシャの提案で今の仕事何とか続けられそうだよ」

リリーシャ「いいえこちらこそ。それで私も今後もそっちに行っていい?」

樹「もちろん」

二十ページ

リリーシャ「今度、ここに来た時、メガロンを案内するね」

樹「わかった、楽しみにしているよ」

樹はワープの穴で現実世界へ戻っていった

樹は自宅の押し入れに放り出される姿

二十一ページ

そして部屋に立つと時計を見て妙な顔をする

樹「おかしい」

樹は一つ思ったことがある顔をする

樹「これはもしかして…」