人々が住む世界とは違う異なる異空間。
その中に住む5匹の小さな生き物が出番がまだかとソワソワしながら待ち続けている。
5匹のうちの1匹である赤い毛を持つ子猿が駄々をこねながらぐるぐると周りを飛び交う。
「ねぇ〜〜?まだぁ?!早くオイラの主のところに行きたいよぉ〜!!!」
「うるさいですよ、柘榴。まだ主様は我々を必要としていない。辛抱強く待ちなさい」
柘榴と呼ばれた子猿を白い子孔雀・真珠が冷静に諌める。柘榴はぷく〜っと苛立ちで頰を膨らませた。
「ワタシも早く大きくなった主様にお会いしたいなぁ♪だってワタシ達が知ってる主様はまだ赤ちゃんの頃なのよぉ?楽しみねぇ♪」
緑色の子蛇・翠玉は主様と呼ばれた人物の今の姿に楽しそうに思いを馳せる。
「主様が剣士と武器人と接触した。ワシらが再会する日はもう近い。慌てるでない」
「そんなこと言って〜。一番楽しみにしてるのは琥珀、オメーじゃねーか」
「ふん。勝手に言っておるがいい。貴様も同じだろうに」
橙色の子獅子・琥珀は自分の気持ちを隠し強がる。そんな彼見て、黒色の子龍・黒瑪はニヤニヤと茶化す。けれど、黒瑪の扱いに慣れている琥珀は、自分だってそう思ってるくせにと思いつつ相手にせず軽くあしらった。
「とにかく。今は主様の力の覚醒を待つしかありません。我々が勝手に動いて主様に迷惑をかけるわけにはいかない」
「けどなぁ、真珠。主様に命の危機が迫ってたら話は別だぜ?その時はオメーの命令無視で動かせてもらうからな?主様の覚醒前でもだ」
黒瑪の要求に真珠は眉間を押さえため息をつく。彼の性格から、きっと止めても奴は動くだろうとすぐに予想できてしまったからだろう。反論する気も起きなかった。
「……それは分かってるけど…あまり暴れ散らかすなよ…」
「大丈夫よぉ♪ワタシ達が抑止すればいいの」
「簡単に言うでない。主なしのワシらの力は強力過ぎる。下手したら人を滅ぼしてしまう」
「琥珀の言う通りだ。軽率に動いたらダメだ。もっと慎重に…」
「そうだよね!!翠玉!!そ・れ・に!!!このオイラ様がいるから安心して!!!!」
「無茶言わんでくれ」
「……だから安心できないのだよ」
まだ常識人寄りの真珠と琥珀は、黒瑪と翠玉と柘榴の言動に頭を抱える。
真珠と琥珀が恐れているのは、主人が自分達の力を制御する為の能力を覚醒させる前に、真珠達に秘められた力が主人だけでなく人類に悪影響を及ぼすのではないかという疑念からだ。それを楽観的に考えている3匹とは違い現実的に捉えていた。
「真珠。今はまず主様の覚醒させるのが先だ。覚醒する前に何も起きなければいいが…」
「解ってます。私達も最善を尽くしますが、後は主様自身の力に託しましょう」
「主様の友達の剣士と武器人にもな」
真珠は剣士と武器人という言葉に眉を顰める。異空間から外の世界を見ていた彼には不快な存在でもあった。
「……主様を邪険に扱った彼等に信用などありません」
「けれどなぁ、あの2人もわざとそうした訳じゃないと思うぞ?何か理由があるのだろう」
「そう見えますか?ずっと主様の誘いを断って平気でいる彼等がねぇ?ワタシにはそんな風には見えませんけど?」
(ご、強情だのう…)
悲しげな表情を浮かべ続ける主の姿を見守るしかできなかった真珠にとってその2人は薄情者以外何者でもなかった。幾ら、信頼できる仲間から提示されても納得できずにいた。
「剣士と武器人の力なしで覚醒させてみせる。絶対に」
「真珠…」
「彼を悲しませた奴らの力なんていらない。私達だけで彼の方の力を覚醒させてみせます。絶対に」
「オイラもきょーりょくするぅ!!」
「ワタシもするわ♪だって仲間じゃないの♪」
「オメーだけいい格好つけてんじゃねーぞ?真珠?」
(う〜〜ん…大丈夫かのう…?)
心配する琥珀をよそに真珠達は決意を新たにする。
けれども、彼等が共通しているのは一刻も早く大好きな主に再会すること。
"5匹の精霊"はある青年の中に秘められた力の覚醒を待ち続ける。
再会の時は近い。ゆっくりとその時間は進みつつあった。
その中に住む5匹の小さな生き物が出番がまだかとソワソワしながら待ち続けている。
5匹のうちの1匹である赤い毛を持つ子猿が駄々をこねながらぐるぐると周りを飛び交う。
「ねぇ〜〜?まだぁ?!早くオイラの主のところに行きたいよぉ〜!!!」
「うるさいですよ、柘榴。まだ主様は我々を必要としていない。辛抱強く待ちなさい」
柘榴と呼ばれた子猿を白い子孔雀・真珠が冷静に諌める。柘榴はぷく〜っと苛立ちで頰を膨らませた。
「ワタシも早く大きくなった主様にお会いしたいなぁ♪だってワタシ達が知ってる主様はまだ赤ちゃんの頃なのよぉ?楽しみねぇ♪」
緑色の子蛇・翠玉は主様と呼ばれた人物の今の姿に楽しそうに思いを馳せる。
「主様が剣士と武器人と接触した。ワシらが再会する日はもう近い。慌てるでない」
「そんなこと言って〜。一番楽しみにしてるのは琥珀、オメーじゃねーか」
「ふん。勝手に言っておるがいい。貴様も同じだろうに」
橙色の子獅子・琥珀は自分の気持ちを隠し強がる。そんな彼見て、黒色の子龍・黒瑪はニヤニヤと茶化す。けれど、黒瑪の扱いに慣れている琥珀は、自分だってそう思ってるくせにと思いつつ相手にせず軽くあしらった。
「とにかく。今は主様の力の覚醒を待つしかありません。我々が勝手に動いて主様に迷惑をかけるわけにはいかない」
「けどなぁ、真珠。主様に命の危機が迫ってたら話は別だぜ?その時はオメーの命令無視で動かせてもらうからな?主様の覚醒前でもだ」
黒瑪の要求に真珠は眉間を押さえため息をつく。彼の性格から、きっと止めても奴は動くだろうとすぐに予想できてしまったからだろう。反論する気も起きなかった。
「……それは分かってるけど…あまり暴れ散らかすなよ…」
「大丈夫よぉ♪ワタシ達が抑止すればいいの」
「簡単に言うでない。主なしのワシらの力は強力過ぎる。下手したら人を滅ぼしてしまう」
「琥珀の言う通りだ。軽率に動いたらダメだ。もっと慎重に…」
「そうだよね!!翠玉!!そ・れ・に!!!このオイラ様がいるから安心して!!!!」
「無茶言わんでくれ」
「……だから安心できないのだよ」
まだ常識人寄りの真珠と琥珀は、黒瑪と翠玉と柘榴の言動に頭を抱える。
真珠と琥珀が恐れているのは、主人が自分達の力を制御する為の能力を覚醒させる前に、真珠達に秘められた力が主人だけでなく人類に悪影響を及ぼすのではないかという疑念からだ。それを楽観的に考えている3匹とは違い現実的に捉えていた。
「真珠。今はまず主様の覚醒させるのが先だ。覚醒する前に何も起きなければいいが…」
「解ってます。私達も最善を尽くしますが、後は主様自身の力に託しましょう」
「主様の友達の剣士と武器人にもな」
真珠は剣士と武器人という言葉に眉を顰める。異空間から外の世界を見ていた彼には不快な存在でもあった。
「……主様を邪険に扱った彼等に信用などありません」
「けれどなぁ、あの2人もわざとそうした訳じゃないと思うぞ?何か理由があるのだろう」
「そう見えますか?ずっと主様の誘いを断って平気でいる彼等がねぇ?ワタシにはそんな風には見えませんけど?」
(ご、強情だのう…)
悲しげな表情を浮かべ続ける主の姿を見守るしかできなかった真珠にとってその2人は薄情者以外何者でもなかった。幾ら、信頼できる仲間から提示されても納得できずにいた。
「剣士と武器人の力なしで覚醒させてみせる。絶対に」
「真珠…」
「彼を悲しませた奴らの力なんていらない。私達だけで彼の方の力を覚醒させてみせます。絶対に」
「オイラもきょーりょくするぅ!!」
「ワタシもするわ♪だって仲間じゃないの♪」
「オメーだけいい格好つけてんじゃねーぞ?真珠?」
(う〜〜ん…大丈夫かのう…?)
心配する琥珀をよそに真珠達は決意を新たにする。
けれども、彼等が共通しているのは一刻も早く大好きな主に再会すること。
"5匹の精霊"はある青年の中に秘められた力の覚醒を待ち続ける。
再会の時は近い。ゆっくりとその時間は進みつつあった。