「っというわけで、今日の放課後、家には帰らず怜と澪ちゃんを尾行してみようと思います」
怜に放課後の誘いを再び断られた昼休み。怜以外の友人と昼飯を共にし、鬱憤が溜まりきった幸人は、友人で同じクラスメイトである片岡龍樹と大坂ハヤタに突拍子もない宣言をした。
「「え…?」」
龍樹とハヤタは幸人の性格上斜め上の事言いそうだなっとは予想していたが、まさかの大親友とその女友達を尾行するとは想像していなかった。
「ん?ん?び、尾行?あのね、幸人くん?怜にも俺達の様に他の人との交流があるんやで…?やめときなよ」
「は?何?正気?下手したら嫌われるで?やめとけやめとけ」
「おいおい。"俺の怜"の事をみくびるなよ。俺が尾行したからってすぐに嫌う男じゃねぇ!!」
「("俺の怜…?怖)その自信は何なん?」
「大親友…だからかな…?」
キリッとかっこよく見せた幸人に龍樹とハヤタはウザさを感じたが言葉を慎んだ。なんとなく言葉の意味と説得力を理解している為反論は思い浮かばなかった。
けれど、今の怜と幸人の現状があまり良くないのは2人も同意見だった。
(解決してやりたいけどコレばかりはなぁ…)
「尾行してどうするつもりよ?ストーカーか探偵のやり方やん」
「ぶっちゃけなりふり構ってられないってゆーかー…」
((追い詰められ過ぎている…!!))
「寂しい気持ちが落ち着かない。このままだと次のテスト悲惨間違いなし。おかんに殺されるぅ」
「…………そこまで言うなら俺らはこれ以上何も言わんけど」
「こんな犯罪チックな事がダメなのは最初から分かってる。でもいろいろと気になる事もある訳なのよ。それを確かめたい。今すぐにでも…」
深刻そうな幸人に龍樹とハヤタは困った顔を見合わせた。もう彼自身が納得する様な結果を見ない限りこの悩みは終わらないと。
「俺も龍樹もオメーらが仲良くしてる様子が見てーからな。何か困った事があったらなんか言ってくれや」
「ハヤタ…」
「さっき、怜に断られた時のお前さんかわいそ過ぎたから。やるだけやんな。ハヤタと同じで俺も助けるからさ」
「龍樹〜!!お前ら本当好き」
「「でも、尾行がバレて絶交された時は俺らは知らん」」
(うぐ…っ!!!正論過ぎてぐうの音も出ねぇ…!!))
龍樹とハヤタの現実という刃がグサリと幸人のハートにブッ刺さった。親愛なる友人に突きつけられそうな絶交宣言が待ってる未来は幸人は考えたくなかった。
けれど、このまま立ち止まって何もしないよりかはマシだった。
「龍樹ぃ。ハヤタぁ。でも俺頑張るねぇ」
「うんうん。頑張れ頑張れ」
「いろいろスッキリさせてきな」
「頑張るぅ」
決意を新たに片手でガッツポーズを決めた途端、タイミング良く昼休みの終わるチャイムの音が教室に響き渡った。
まだ自分の席に戻ってこない怜と澪の心配をしつつ、良き理解者である友人2人が席に戻るのを見守る。
(怪しいけど全ては今日の放課後に分かるんだ。焦るな焦るな。果報は寝て待てってなんかのことわざで聞いたことあるし)
空になった弁当箱をリュックにしまい次の授業の準備を進める。
放課後への緊張で動揺しない様必死に努めようとした。
悩める少年は行動に移す。その衝動と疑問と好奇心がありふれた冒険の先に何が待ち受けているのか少年は知る由もなかった。
怜に放課後の誘いを再び断られた昼休み。怜以外の友人と昼飯を共にし、鬱憤が溜まりきった幸人は、友人で同じクラスメイトである片岡龍樹と大坂ハヤタに突拍子もない宣言をした。
「「え…?」」
龍樹とハヤタは幸人の性格上斜め上の事言いそうだなっとは予想していたが、まさかの大親友とその女友達を尾行するとは想像していなかった。
「ん?ん?び、尾行?あのね、幸人くん?怜にも俺達の様に他の人との交流があるんやで…?やめときなよ」
「は?何?正気?下手したら嫌われるで?やめとけやめとけ」
「おいおい。"俺の怜"の事をみくびるなよ。俺が尾行したからってすぐに嫌う男じゃねぇ!!」
「("俺の怜…?怖)その自信は何なん?」
「大親友…だからかな…?」
キリッとかっこよく見せた幸人に龍樹とハヤタはウザさを感じたが言葉を慎んだ。なんとなく言葉の意味と説得力を理解している為反論は思い浮かばなかった。
けれど、今の怜と幸人の現状があまり良くないのは2人も同意見だった。
(解決してやりたいけどコレばかりはなぁ…)
「尾行してどうするつもりよ?ストーカーか探偵のやり方やん」
「ぶっちゃけなりふり構ってられないってゆーかー…」
((追い詰められ過ぎている…!!))
「寂しい気持ちが落ち着かない。このままだと次のテスト悲惨間違いなし。おかんに殺されるぅ」
「…………そこまで言うなら俺らはこれ以上何も言わんけど」
「こんな犯罪チックな事がダメなのは最初から分かってる。でもいろいろと気になる事もある訳なのよ。それを確かめたい。今すぐにでも…」
深刻そうな幸人に龍樹とハヤタは困った顔を見合わせた。もう彼自身が納得する様な結果を見ない限りこの悩みは終わらないと。
「俺も龍樹もオメーらが仲良くしてる様子が見てーからな。何か困った事があったらなんか言ってくれや」
「ハヤタ…」
「さっき、怜に断られた時のお前さんかわいそ過ぎたから。やるだけやんな。ハヤタと同じで俺も助けるからさ」
「龍樹〜!!お前ら本当好き」
「「でも、尾行がバレて絶交された時は俺らは知らん」」
(うぐ…っ!!!正論過ぎてぐうの音も出ねぇ…!!))
龍樹とハヤタの現実という刃がグサリと幸人のハートにブッ刺さった。親愛なる友人に突きつけられそうな絶交宣言が待ってる未来は幸人は考えたくなかった。
けれど、このまま立ち止まって何もしないよりかはマシだった。
「龍樹ぃ。ハヤタぁ。でも俺頑張るねぇ」
「うんうん。頑張れ頑張れ」
「いろいろスッキリさせてきな」
「頑張るぅ」
決意を新たに片手でガッツポーズを決めた途端、タイミング良く昼休みの終わるチャイムの音が教室に響き渡った。
まだ自分の席に戻ってこない怜と澪の心配をしつつ、良き理解者である友人2人が席に戻るのを見守る。
(怪しいけど全ては今日の放課後に分かるんだ。焦るな焦るな。果報は寝て待てってなんかのことわざで聞いたことあるし)
空になった弁当箱をリュックにしまい次の授業の準備を進める。
放課後への緊張で動揺しない様必死に努めようとした。
悩める少年は行動に移す。その衝動と疑問と好奇心がありふれた冒険の先に何が待ち受けているのか少年は知る由もなかった。