また、同じ夢だった。
ただ、今回はより意識がはっきりしていたし、"声"が聞こえた。

「……さんと……って……。」
「それ……は、本当……よ。」
「え、……てこと?……よ。気持ち……。」
「お前ら……、……関係……。」

途切れ途切れの声。
男の声も女の声もする。
でも、何故かそれを聞いてると嫌な。心の底を鋭利な刃物で抉られたような気分になる。

あぁ、早くこの夢が覚めますように。
そう願うと今まで暗闇だった深海に、上から一筋の光が差し込んできた。

「……い。あ……い。……葵!!」

真理佳の声だ。
私はその一筋の光を掴むようにして手を伸ばそうとしていた。