あまりにうんうんと悩んでいるので、お兄さまが「半分こにしようか」と提案してくださり、そうさせていただくことにしました。

「お待たせいたしました、ベリーのタルトとミルフィーユでございます」

 ケーキがテーブルに並べられるともうキラキラと輝いて見えて、しかも想像していたよりも大きくて嬉しいです!
 どちらが最初にするか、で悩みましたがまずはタルトから食べてみることにしました。

「──っ!!」

 これは美味しいです!
 しっとりとしたタルトもありますが、これはザクっといった食感で私の好みです。
 バターが効いていて口の中でふわっといい香りが漂います。

「よかった、気に入ってくれたみたいだね」
「(はいっ!!)」

「あ、このミルフィーユも美味しいな。ローゼもどうぞ」
「(では少しいただいて……)」

 とお皿を持って来ようとしたらなぜかお兄さまに取り上げられました。

「(??)」
「ダーメ。私が食べさせてあげる」
「(え~!!!)」

 なんということでしょう!
 そんなお兄さまの手を煩わせるなど、というよりも皆さんが見ている前でそんな恋人のようなこと、恥ずかしいです!