「大変ご足労いただきますが、よろしくお願いいたします」
フェーヴル伯爵令嬢のお辞儀に合わせて私もお辞儀をします。
声が出ないことを皆さんご存じの方が多いので、表情や手振りなどである程度理解してくださいます。
パーティーも終わりの頃になってきました。
もう少ししたら無事にお役目を果たせますね。
そんなことを頭の中で考えていたら、突然叫び声が聞こえてきたのです。
「ヴィルフェルトっ!! よくも~!!」
「きゃーっ!!」
私は咄嗟の事で動けませんでした。
叫び声をあげた方のほうを見るとなんと私に向かってナイフを向けていたのです。
これは、まずいです……!
しかし、身体はすくんでしまって一歩も動けません。
刺されてしまう……!
そのように思った瞬間、何かが倒れる音が響き渡りました。
ゆっくり目を開けると、大きな背中が目の前にあって、その人はなんとオリヴィエ王子でした。
そのすぐ前の床には先ほどの暴漢が倒れており、その傍に落ちたナイフを王子は足で払いのけました。
「大丈夫かい、ご令嬢」
「(……こく)」
「王子っ! ご無事ですか?!」
フェーヴル伯爵令嬢のお辞儀に合わせて私もお辞儀をします。
声が出ないことを皆さんご存じの方が多いので、表情や手振りなどである程度理解してくださいます。
パーティーも終わりの頃になってきました。
もう少ししたら無事にお役目を果たせますね。
そんなことを頭の中で考えていたら、突然叫び声が聞こえてきたのです。
「ヴィルフェルトっ!! よくも~!!」
「きゃーっ!!」
私は咄嗟の事で動けませんでした。
叫び声をあげた方のほうを見るとなんと私に向かってナイフを向けていたのです。
これは、まずいです……!
しかし、身体はすくんでしまって一歩も動けません。
刺されてしまう……!
そのように思った瞬間、何かが倒れる音が響き渡りました。
ゆっくり目を開けると、大きな背中が目の前にあって、その人はなんとオリヴィエ王子でした。
そのすぐ前の床には先ほどの暴漢が倒れており、その傍に落ちたナイフを王子は足で払いのけました。
「大丈夫かい、ご令嬢」
「(……こく)」
「王子っ! ご無事ですか?!」