いけない、勉強をしないと、と思うのですが、眠気には抗えず、うとうとと段々瞼が重くなってしまいました。

「ローゼ?」

 お兄さまがそんな風に呼んでいたような気がするのですが、私はもう夢の中に入ってしまいました──


 ふと目が覚めると、私は何かにもたれかかっていました。
 あれ? そういえば、勉強をしていて……それで……。

 パッと横を見るとなんとお兄さまが顔がそこにあって、それで、それで、眠っていらっしゃって。
 私は驚いて飛び退きそうになったのですが、お互いがもたれかかっていて支えているようで、このままではお兄さまを起こしてしまいます。
 私は仕方なくそーっとそのままじっとしていたのですが、お兄さまの顔を思わず見てしまって。

 黒髪に少し日が差し込んで、それで綺麗なお顔立ちですやすやと子供のように眠っておられます。
 思わず見とれてしまうような綺麗さで、胸がドキドキとしてその鼓動で起こしちゃうのはないかと思うほどです。
 天国のような地獄のような、そんな状態で、私はどうしたらいいのかと戸惑いながらお兄さまが起きるまで一緒に寄り添っていました──