お父さまから言い渡されていたお茶会の招待状を取り出してお兄さまに見せます。
 しっかりヴィルフェルト家の名に恥じぬよう、お役に立たなければなりませんね。

「もうマナーも身についているし、ローゼなら安心だね」

 そう言っていただけると、すごく嬉しいです。
 余計に頑張らなければなりませんね!
 そう紙にも書いてお兄さまに見せます。

「ふふ、張り切りすぎて転んだりしないようにね」
「(もうっ! そんなドジはいたしません!)」

 私は少し怒るような表情を見せてお兄さまに見せると、お兄さまは大きな声で笑いました。
 なんだか、前に比べたらよく笑うようになったな、なんて思います。
 もしかして好きな人でもできたのでしょうか。

 そう思うと胸の奥がきゅっと締め付けられるような感覚に陥ります。

「ローゼ、勉強でもはじめようか。これはね──」

 お兄さまは私にいつものように本を見せながら言葉や意味を教えてくださいます。


 そんな風にお兄さまの声を聞いていると今日は段々眠くなってきてしまって。