「大丈夫、私はローゼの傍から決して離れないから。何があっても必ず」
「(お兄さま)」

 たとえそれは妹としてのローゼマリーへの言葉だとしても、今はそれだけでいい。
 ただ、お兄さまの傍にいたくて仕方ないんです。

 いつかお兄さまが誰かを好きになって、そのひとの傍にいるその時まで。
 どうか、どうか、少しだけその声を聞かせてください──