私のことを呼ぶ声が聞こえた気がしましたが、私は夢中になってパーティー会場を飛び出して走ります。

 そうだ、当たり前だ。そんなわけない。そんなわけないんです。あんな素敵なお兄さまに恋人がいないなんてあるわけないんです。


 私の初恋は誕生日に儚くも散ってしまったのです──