素敵……でもお誕生日とは一体? そういえば私は自分のお誕生日を知りません。

「驚かせたかな? 実は君の本当の誕生日はわからないけれど、修道院にきた日付が資料にあってね。それが今日なんだ。だから今日をローゼの誕生日にしようと思うんだけど、どうかな?」

 私はあまりにも驚きの連続できょろきょろとしてはお兄さまをみて、またきょろきょろしてお兄さまをみての繰り返しをしてしまいます。

「これはみんなからのローゼへのお祝い、そしていつも頑張っているご褒美だよ」
「…………」

 もしかして、これを私に、ということでしょうか?
 私は自分自身をさしながらそのようにお兄さまに聞いてみます。

「ああ、そうだよ。全部ローゼの好きなだけ食べていいんだよ」

 なんてことでしょう……。
 こんな恵まれたこと、いいのでしょうか。

 私はお兄さまに差し出されたケーキを一口食べると、そのお皿をテーブルにおいて皆さんに向かってお辞儀をしました。

「(皆さん、本当にありがとうございます!!)」

 声に出せませんは気持ちは届いたようで皆さん笑顔でもう一度拍手をしてくださいます。