「おそらく火事の影響でしょうね」
お医者さんのような方は、私の身体を診察しながらそうおっしゃいました。
私はどうやら修道院でおこった火事で煙を多く吸ってしまい、声が出なくなってしまったようです。
確かに身体の痛みよりも喉の痛みや呼吸の苦しさが、私の身体を蝕んでいるように思いました。
診察が終わったあと、公爵さまはお仕事があるからと部屋をあとにされました。
部屋の中に残ったラルスさまは、ベッドの横にあった椅子に腰かけると、優しい面持ちで私に声をかけます。
「怖かっただろう、もう安心だからね」
私が安心するようにか、私に目線を合わせて話してくださいます。
すると、ラルス様は机の引き出しからレターセットとペンを用意して、私に差し出しました。
「言いたいことはここに文字で書いてごらん」
そう言われて私はその紙を受け取りましたが……これは困りました。
私の困惑する様子を見て「どうしたんだい?」とラルス様は聞かれます。
私は修道院で読み書きを教えてもらっておらず、文字を書くことができません。
お医者さんのような方は、私の身体を診察しながらそうおっしゃいました。
私はどうやら修道院でおこった火事で煙を多く吸ってしまい、声が出なくなってしまったようです。
確かに身体の痛みよりも喉の痛みや呼吸の苦しさが、私の身体を蝕んでいるように思いました。
診察が終わったあと、公爵さまはお仕事があるからと部屋をあとにされました。
部屋の中に残ったラルスさまは、ベッドの横にあった椅子に腰かけると、優しい面持ちで私に声をかけます。
「怖かっただろう、もう安心だからね」
私が安心するようにか、私に目線を合わせて話してくださいます。
すると、ラルス様は机の引き出しからレターセットとペンを用意して、私に差し出しました。
「言いたいことはここに文字で書いてごらん」
そう言われて私はその紙を受け取りましたが……これは困りました。
私の困惑する様子を見て「どうしたんだい?」とラルス様は聞かれます。
私は修道院で読み書きを教えてもらっておらず、文字を書くことができません。