エリー先生からのマナーのお勉強は、社交界で必要なものや基礎的なマナーを中心におこなわれました。

「もっと背筋を伸ばすっ! そうっ! 今度は足がぶれてる!」
「(はいっ!)」

 何度もやり直しをしながら、エリー先生のお手本のように動けるように練習していきます。
 少し経った頃には食事のマナーの練習も始まって、なかなか頭がこんがらがりました。

 そしてついに社交界デビュー当日がやってきたのです。

「今日はサイドに髪を寄せて華やかにしましょうか!」
「(はいっ!)」

 この前お兄さまに買っていただいたドレスを着て、鏡の前でクリスタさんに髪を綺麗にしてもらっています。
 どんどん自分じゃないないような素敵な状態に仕上がるので、段々緊張もしてきました。
 今日は私のお披露目パーティーのようでいろんな貴族の皆さまがお屋敷にやってくるそうです。

「さ、できましたよ!」

 わあ~こんなに綺麗にしていただいていいんでしょうか!
 私は自分の格好が信じられなくてくるくるとその場を回って鏡や自分を何度も見てしまいます。

「さ、旦那様たちのところにまいりましょうか」