「よかった、気に入ったみたいだね」
「(ふんふん!)」

 私はもうとても頷いてケーキとアップルティーを交互に楽しんでは、なんて幸せなんだろうとため息をつきました。
 しまったっ! 食事に夢中になりすぎました……。こんなにがっついて食べてはいけませんよね……。
 食べるペースを落とした私に気づいて、ラルスさまは声をかけてくれます。

「大丈夫だよ、たくさん好きなだけ食べて」

 私は嬉しくてこくりと頷くと、お言葉に甘えて次々に口にケーキを運んでいきました。

「ローゼマリー」
「(?)」
「もううちでの暮らしは慣れたかい?」
「(ふんふん)」
「そっか、よかった。もし嫌じゃなかったら、『ローゼ』と呼んでもいいかい?」
「(ローゼ?)」

 あ、なるほど、愛称で呼んでくださるということですね!
 もちろんです!! そんな気持ちで大きく頷いて笑いました。

「ありがとう。私は一人っ子だから君みたいな可愛い妹ができて嬉しいんだ」

 紅茶を優雅に飲みながらそんな風に言ってくださって、とても光栄なことです。
 私もラルスさまのような素敵なお兄さまができて嬉しいです!