エリザベート先生はとてもお強い。そんな感じがとても伝わってきました。
 すると、エリザベート先生は私に向きなおしてニコリと笑うとこちらに歩いて来られます。

「変なところ見せちゃったわね、ごめんね。名前長いからエリー先生って呼んでいいわよ……あ、そうね。声がでなかったのよね。ごめんなさい、失言したわ」

 申し訳なさそうに眉を下げると、お話を続けます。

「事情は聞いているし、文字の読み書きもここにいるラルスから教わってるって聞いたわ。書けるようになったら書いてくれてもいいし、今は身振りや手振りで伝えてもらって大丈夫よ。もちろん、基本は私が質問であなたの思いを受けとるように努力するわ。それでいいかしら?」

 私は大きく頷くと、エリー先生は嬉しそうな顔をして片目を閉じる合図をしました。
 どうやら受け入れていただけたようです。
 よかった……。

「ではエリザベート先生、私は仕事に戻りますので、ローゼマリーのことよろしくお願いいたします」
「ええ、任せてちょうだい」

 ラルスさまは私に向かって微笑むと、ドアを開けて部屋をあとにされました。