子供たちを導き救うべき立場のシスターがそのような振る舞い許されるわけがない。

「それからラルス様のご指示通り調査しましたところ、やはり子供たちはみな教育なども受けておらず修道院でも度を超えた労働をおこなわせ、体罰は日常茶飯事のようでした」
「わかった、資料をまとめるので少しだけ待ってもらえるか?」
「かしこまりました」

 私は調査報告書として父上に提出する資料のまとめの続きを書き始めた。

 書き始めて私は念のため、目の前にいるロルフに確認をする。

「ローゼマリー以外の子供たちはやはり」
「はい、全員死亡との見解となりました」
「そうか」

 私は腹立たしさでペンを折ってしまいそうになる。
 現場の状況からシスターは子供たちを置き去りにして逃げたと見られている。
 子供たちはどれだけ辛かっただろうか、苦しかっただろうか。
 ローゼマリーはどれだけ怖い思いをしたのだろうか。
 想像をしただけで痛々しく思う。

 報告書を書く右手のすぐ横にはローゼマリーの書いてくれた手紙があった。


『らるすさま、ありがとうございます』