そして、妹として私を受け入れてくださった大好きなお兄さま──


『ん? ああ! 伸ばすのか! リー!! ローゼマリー!!』

 そうです、お兄さま、私の名前はローゼマリーというんです。


『私の名前は、こう書くんだ』

 お兄さまの名前が書けるようになって嬉しかった。


『私は一人っ子だから君みたいな可愛い妹ができて嬉しいんだ』

 私もお兄さまみたいな兄ができて幸せでした。


『私はローゼの傍から決して離れないから。何があっても必ず』

 はい、私のこと離さないでくださってありがとうございました。


 優しく頭をなでてくださるお兄さま。

 笑っているお兄さま。
 
 叱ってくれるお兄さま。
 
 心配してくれるお兄さま。
 
 寝顔のお兄さま。
 
 そして、そして……。


 私は後ろを振り返り、お兄さまのほうを見て言いました。

「(お兄さま、ありがとうございました)」

 私の口の動きを見てお兄さまは目を見開きました。
 どうして最後まで声が出ないの……。
 お願い、出て。お願いっ!!!

 私は精いっぱいの声を出して叫びました。