『俺は、澄美さんと出会ったときから幽霊だった。幽霊にも種類があって、俺はその種類の中の、心更生っていうもので、心を壊してしまいそうな人に会って、話して、壊れなくなるようにお手伝いする。基本的には澄美さんと関わった時間よりも少なくてもケアすることはできるんだけど、澄美さんはそうはいかなかった。結局、幽霊が人に見える期間は限られてて、それの限界が来てしまった。だから僕は一日でいいから生き延びたいって、幽霊の偉い人に御願いした。そしたら、一日でいいならって言って生き延びれた。でも、俺は貴女をケアすることはできず、壊す方向に進むことにしてしまった。だから、夢の中で必死に訴えた。』
そういうと彼は今までにないほど悲しい顔をして言った。
『こんな俺が関わってごめん。澄美さんを救えなくてごめん。でも、一生のお願い。生きて。これが俺の願い。返事はいらない。上でずっと見てるから。またね』
彼が言い終わると私は起きた。起きた時に涙が頬を伝っていて驚いたが、死んではいけない気がした。なぜなのだろう。でも、私は死なない、死んではいけない。そう思うと、途中下車をして家に向かっていた。