「陛下に……恋をした?」

 法務省に赴き、新大臣ラルガとバティス・スコターディ城の管轄権に関する相談をしてきたマリアが、宮殿に戻ってきたのは22時を過ぎた頃だった。ちょうど舞踏会がお開きとなるタイミングだったため、女帝付きの侍女に様子を伺うと、思わぬ話が出てきた。

「は、はい。その殿方はそう申して、陛下の手を取りダンスまでなさいました」
「踊ったの!? 陛下が?」
「はい。それはもう巧みなリードでした。目の事など関係ないほどに」
「何という男性です、その方は?」
「はい。征竜騎士団のダ・フォーリス様と……恐らく、まだ会場に残られていると思います」

 侍女の言葉に、アンナとマルムゼは顔を見合わせ、うなずいた。

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