――不覚。気付いたら、ソファで寝落ちしてしまった。

晃くんの言葉が嬉しくて、しみてきて、なんだかとっても泣きたくなって、晃くんの背中を借りて泣いた。

……気づいたら、晃くんに膝枕? されていた。

真上には目を閉じた晃くんの顔。

少し揺れて見えるから、晃くんも寝てしまっているのかもしれない。

な、なんでこんな格好になっている……?

「………」

晃くんの顔をまじまじと見るのって、意外と初めてかも。

いつも近くに居過ぎてちゃんと見てなかったかも……。

晃くんは、大嫌いな父親にそっくりな自分の容姿を嫌っているけど、私は好きだな。声も好きだな。晃くんのこと……好きだな。

旭と再会して、唐突に気づかされた。恋心ってやつに。

私、旭のこと好きだったんだ、って。

小学校当時は色々競える存在として大事だったって気持ちしかなかったけど、また旭に逢って、今、晃くんに持っている気持ちの、もっと小さなものを昔の旭に持っていたって気づかされた。

今、晃くんに対して持っている気持ちが、恋愛感情なんだって。

順番はごちゃごちゃしているけど、旭は今、友達として大事な人で、晃くんは……大好きな人として、大事な人なんだ。

今二人がいる場所は、全然違う。

……晃くんは、私の中で一番綺麗な場所にいる。私が近づいてもいいのかな? って戸惑うくらい、綺麗なところ。

でも、それを言ったら――告白なんかしたら、晃くんが離れて行っちゃいそうな気がする……。

好きな人は作らない、付き合うこともしないって言っていた晃くん。

私を一番近くに置いてくれているけど、それは私と晃くんの傷が似ていて、触れられたくないところも似ていて、それがお互いよくわかっていて傍にいやすいからだと思う。

……やだな、晃くんを失うのは。

いつか、晃くんには絶対に幸せになってほしいって思った。

口にした。どんな形でもいいからって。

……晃くんは、どうして今を幸せだって思ってくれているのかな? その幸せに、私も少しは関われているかな? ねえ、晃くん?

「……だよ」

「ん……起きた? さゆ」