イオちゃん、いやイオ君が睡眠薬入りの水を飲んで寝てしまった。
私が近くに居るのでメヌのセクハラからも守れる。うむ、安全だ。
私の尻尾を枕にして穏やかな顔をしている。同族からは美しいと言われている自慢の鱗なので、寝心地が良いのだろう。美しい顔を見ていると守り、世話をしてあげたいと思ってしまう。男性を世話する方法は何冊もの本を読んで学んでいるから、ちゃんとできる自信はある。
男の姿になると恥ずかしくで話すことすらままならないが、私の伴侶になってくれる方だ。じっくりと時間をかけて慣れていけば良いだろう。急ぐ必要はない。
「第一回、イオ君どうするか会議開催ー!」
レベッタが勝手に開催を宣言していた。何を話すかなんて聞いていない。
パーティのリーダーとしては優秀なんだが、男が絡むと知能指数が大きく下がってしまうのは何とかして欲しい。イオディプス君は私の夫なのだから、どうするかなんて話し合う必要はなのに。
「何を話す?」
冷静な反応をしたのはヘイリーだ。普段は静かだが、キレるとぶっ飛んだ行動をするし、男絡みでだと犯罪に手を染めることも珍しくはない。予兆なく暴れるタイプなので恐ろしい。
「イオ君を敵から守る方法だね」
今回戦うメスゴブリンだけじゃない。スキルや子種目的で近づく女や、拉致もしくは殺害しようとする敵国の存在も含まれている。スカーテ王女の側近からは、一緒にいたいのであれば命を賭けてでも守れと命令されている。
もちろん、私たちは即座に同意した。
あんな女どもに言われるまでもない。
「私たちが全員殺せばいい」
「もちろん。それができたら良いんだけど、Sランクスキル持ちに襲われたら難しいし、スカーテ王女が派遣した護衛だって万能じゃない」
私たちは冒険者の中なかだと中の上ぐらいで、軍やSランクスキルには勝てないのが、イオ君を狙う敵に限って、そういう上位のやつらが狙っている。工夫が必要だな。
「じゃ、どうするの?」
「戦いに慣れてもらうんだよっっっっ!!」
私の疑問に対してレベッタは、ぐっと握りこぶしを作りながら宣言した。
今のうちだと思ったのかメヌがイオ君に近づいてきたので、氷の矢を放って床に刺し、警告しておく。ちゃんと話を聞いておけ。
「スキルの習熟度が上がれば効果は高まるし、イオ君が戦いに慣れれば私たちを見捨てる冷徹な判断もできるようになるでしょ」
スキルの習熟度なんて、私たちからすればおまけでしかない。本命は、防衛能力を超える敵が襲ってきた場合、即座に逃げる判断ができるよう、非情な考えができるようになること。イオ君は優しすぎるので、軍人みたいな冷静さを身につけて欲しいと思う。
他国、特にボルーツ王国に攫われたら、男性器を元気にさせる薬を使われ、奴隷のような生活をさせられるだろうからな。
「その意見は賛成だが具体的にどうするつもりだ?」
「私に任せてッ!」
自信があるところから具体的な計画も考えているのだろう。一応、聞いてやるか。
「メスゴブリンとの戦いでケガした振りをして、イオ君だけ先に逃がす作戦!!」
ダメだコイツ。作戦の内容がずさんすぎる。いきなり仲間を見捨てて逃げる判断なんてできないだろっ!
しかもメスゴブリン数匹じゃ私たちがピンチになる、なんて状況を作ること自体が難しい。演技だとバレてしまう。
「却下」
ヘイリーも同じ考えだったようだ。即否定されて、レベッタは落ち込んでいる。
可哀想だから少しはフォローしてやるか。
「けど考えは悪くない」
「だよね!」
「もし私たちがピンチになるような状況になったら、みんなでイオ君を逃がすように動こう」
「うん。そうしよう! じゃ、会議は終了ーーー!」
それでいいのかと思うのだが、誰も突っ込まない。面倒だからな。
結局、寝ている男の前で真面目な会議なんてできないんだよ。みんな早く話を切り上げたくて仕方がなかったのだ。
「話が終わったなら寝る」
すーっと立ち上がったヘイリーは、こちらに近寄っている。イオ君の隣に来るつもりだ。
「止まって」
「なぜ?」
「何をつもりだ」
スキルを使って周囲に氷の矢を浮かべた。実際に攻撃するつもりはない。ただの脅しである。
「添い寝するだけ。みんなもそうでしょ?」
様子をうかがっていたレベッタとメヌが反応した。
「そうだね。一緒に寝ようよ!」
「夜は寒いから密着する必要があるよね」
ちっ。二人を仲間にしやがった。自慢げな顔をしているのがムカつく。
「アグラエルはどうする?」
頷かなければ私だけのけ者にされてしまう。それは嫌だ。ヘイリーの思い通りに動くのはムカつくが、従うしかなさそうだ。
「みんなの言う通りだ。間違いない」
浮かべてた氷の矢を消すと、ヘイリーはイオ君の右腕を枕にして横になった。レベッタは左腕で、メヌは股の部分を枕にしている。私が動けないからといって勝手にポジションを決めやがって。
フツフツと怒りが湧いてくる。
「母さん……」
イオ君の寝言だ。目に涙を浮かべている。男性が母を求めるなんて珍しい。普通は大きくなったら嫌悪するようになるのだが。女に優しいし、周りから聞いていた普通の男性とはまったく違う。絶対に手放したくないと感じてしまう。
独占欲がムクムクと湧き上がってきたので気持ちを抑えながら、指で涙を拭ってあげると舌で舐める。しょっぱいが美味しい。私の全身が喜んでいた。
私が近くに居るのでメヌのセクハラからも守れる。うむ、安全だ。
私の尻尾を枕にして穏やかな顔をしている。同族からは美しいと言われている自慢の鱗なので、寝心地が良いのだろう。美しい顔を見ていると守り、世話をしてあげたいと思ってしまう。男性を世話する方法は何冊もの本を読んで学んでいるから、ちゃんとできる自信はある。
男の姿になると恥ずかしくで話すことすらままならないが、私の伴侶になってくれる方だ。じっくりと時間をかけて慣れていけば良いだろう。急ぐ必要はない。
「第一回、イオ君どうするか会議開催ー!」
レベッタが勝手に開催を宣言していた。何を話すかなんて聞いていない。
パーティのリーダーとしては優秀なんだが、男が絡むと知能指数が大きく下がってしまうのは何とかして欲しい。イオディプス君は私の夫なのだから、どうするかなんて話し合う必要はなのに。
「何を話す?」
冷静な反応をしたのはヘイリーだ。普段は静かだが、キレるとぶっ飛んだ行動をするし、男絡みでだと犯罪に手を染めることも珍しくはない。予兆なく暴れるタイプなので恐ろしい。
「イオ君を敵から守る方法だね」
今回戦うメスゴブリンだけじゃない。スキルや子種目的で近づく女や、拉致もしくは殺害しようとする敵国の存在も含まれている。スカーテ王女の側近からは、一緒にいたいのであれば命を賭けてでも守れと命令されている。
もちろん、私たちは即座に同意した。
あんな女どもに言われるまでもない。
「私たちが全員殺せばいい」
「もちろん。それができたら良いんだけど、Sランクスキル持ちに襲われたら難しいし、スカーテ王女が派遣した護衛だって万能じゃない」
私たちは冒険者の中なかだと中の上ぐらいで、軍やSランクスキルには勝てないのが、イオ君を狙う敵に限って、そういう上位のやつらが狙っている。工夫が必要だな。
「じゃ、どうするの?」
「戦いに慣れてもらうんだよっっっっ!!」
私の疑問に対してレベッタは、ぐっと握りこぶしを作りながら宣言した。
今のうちだと思ったのかメヌがイオ君に近づいてきたので、氷の矢を放って床に刺し、警告しておく。ちゃんと話を聞いておけ。
「スキルの習熟度が上がれば効果は高まるし、イオ君が戦いに慣れれば私たちを見捨てる冷徹な判断もできるようになるでしょ」
スキルの習熟度なんて、私たちからすればおまけでしかない。本命は、防衛能力を超える敵が襲ってきた場合、即座に逃げる判断ができるよう、非情な考えができるようになること。イオ君は優しすぎるので、軍人みたいな冷静さを身につけて欲しいと思う。
他国、特にボルーツ王国に攫われたら、男性器を元気にさせる薬を使われ、奴隷のような生活をさせられるだろうからな。
「その意見は賛成だが具体的にどうするつもりだ?」
「私に任せてッ!」
自信があるところから具体的な計画も考えているのだろう。一応、聞いてやるか。
「メスゴブリンとの戦いでケガした振りをして、イオ君だけ先に逃がす作戦!!」
ダメだコイツ。作戦の内容がずさんすぎる。いきなり仲間を見捨てて逃げる判断なんてできないだろっ!
しかもメスゴブリン数匹じゃ私たちがピンチになる、なんて状況を作ること自体が難しい。演技だとバレてしまう。
「却下」
ヘイリーも同じ考えだったようだ。即否定されて、レベッタは落ち込んでいる。
可哀想だから少しはフォローしてやるか。
「けど考えは悪くない」
「だよね!」
「もし私たちがピンチになるような状況になったら、みんなでイオ君を逃がすように動こう」
「うん。そうしよう! じゃ、会議は終了ーーー!」
それでいいのかと思うのだが、誰も突っ込まない。面倒だからな。
結局、寝ている男の前で真面目な会議なんてできないんだよ。みんな早く話を切り上げたくて仕方がなかったのだ。
「話が終わったなら寝る」
すーっと立ち上がったヘイリーは、こちらに近寄っている。イオ君の隣に来るつもりだ。
「止まって」
「なぜ?」
「何をつもりだ」
スキルを使って周囲に氷の矢を浮かべた。実際に攻撃するつもりはない。ただの脅しである。
「添い寝するだけ。みんなもそうでしょ?」
様子をうかがっていたレベッタとメヌが反応した。
「そうだね。一緒に寝ようよ!」
「夜は寒いから密着する必要があるよね」
ちっ。二人を仲間にしやがった。自慢げな顔をしているのがムカつく。
「アグラエルはどうする?」
頷かなければ私だけのけ者にされてしまう。それは嫌だ。ヘイリーの思い通りに動くのはムカつくが、従うしかなさそうだ。
「みんなの言う通りだ。間違いない」
浮かべてた氷の矢を消すと、ヘイリーはイオ君の右腕を枕にして横になった。レベッタは左腕で、メヌは股の部分を枕にしている。私が動けないからといって勝手にポジションを決めやがって。
フツフツと怒りが湧いてくる。
「母さん……」
イオ君の寝言だ。目に涙を浮かべている。男性が母を求めるなんて珍しい。普通は大きくなったら嫌悪するようになるのだが。女に優しいし、周りから聞いていた普通の男性とはまったく違う。絶対に手放したくないと感じてしまう。
独占欲がムクムクと湧き上がってきたので気持ちを抑えながら、指で涙を拭ってあげると舌で舐める。しょっぱいが美味しい。私の全身が喜んでいた。