私と月華さんは月の癒し屋に行き、料理を始めた。
「じゃあ、まずは簡単なものからね。……梨々花さんはどんなのが作りたい?私がよくやるのは美容に関する食事なんだけど」
 そういえば、最近お母さん、くすみが気になるって言っていたような。
「えっと、じゃあ、くすみ対策になるお料理を作りたいです……!」
「わかったわ。アボカド鶏そぼろ丼にしましょう」
 私たちは早速、準備をした。
「鶏ひき肉はヘルシーで美肌効果もあるの。アボカドは血液をさらさらにしてくれたりする美肌の味方よ」
 月華さんの教え方がとても上手で料理をあまりしたことがない私にもできた。
「で、できた……っ!」
「頑張ったわね、上手よ。さっ、食べてみましょ?」
「は、はい……っ」
 食べてみたら私が作ったとは思えないほど美味しかった。
「美味しいっ!」
「ほら。やってみないとわからなかったでしょう?」
「そうですねっ!やってみたらとーっても楽しかったです!」
「そう。よかったわ。なんでも挑戦して、心の底から楽しまないと」
「そうですね。今日はお出かけとお料理、ありがとうございました!」
「また遊びましょう。楽しかったわ」
 月華さんは太陽のような温かい微笑みを向けてくれた。
 それから数日後、私は一週間仕事が休みになった。
 会社の手違いでシフトが変に入れ替わってしまったそうで。
 私はこの一週間何しようかと考えた。
「梨々花。おかえり」
 そして、今に至る。
「ただいま、お母さん……っ!」