『気持ちの宅配便』は人間でも幽霊でもない。
人間と違うところは、体が透けていること。
幽霊と違うところは、死んでいないこと。
『気持ちの宅配便』は『気持ちの宅配便』として生を受けて、そして人間と同じぐらいの寿命で死んでいく。
『気持ちの宅配便』の仕事は【ターゲットの〝願い〟を届けること】だ。
〝願い〟は何だっていい。
ただし、叶えることはできないかもしれない。
それは〝願い〟によって左右されるからだ。
例えば「想い人と両想いになりたい、付き合いたい」なんて願われても、オレたちはその〝願い〟をその想い人って奴に届けることしかできない。
逆に「死んでしまった友達に感謝を伝えたい」とかはいいんだ。
だって『気持ちの宅配便』だから、届けることに関しては専門分野だ。
きっちり、天国だか地獄だかに行ってやる。
あと、〝願い〟には期限がある。
『気持ちの宅配便』はこの世界に存在する生き物に対して割合がとてもとても小さい。
一人だけに構ってられる時間は少ないんだ。
だから、一週間。今日から一週間で〝願い〟を見つけろ。
誰にだって何かしら〝願い〟はあるんだ。
一週間ある。ゆっくりでいい。オレも協力するから、だから、一緒に〝願い〟を見つけよう。