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『主様、よろしいのか? 御門の主が行ってしまうぞ?』

手のひらの小鳥が声をかけてきた。

「……うん」

黒藤は元気がないまま答える。

(ごめん、白。迷惑かけた……)

『主様はあれじゃな』

「どれ?」

『重い』

「………」

なんて返していいかわかんなかった主だ。

『御門の主は当主然といようとしておるが、主様はそれガン無視じゃからな』

「正解だよ、涙雨。小路の次の当主は真紅だ」

『主様の母君が何も言わないのならば涙雨も何も言わんが……』

「ありがと、涙雨」

涙雨を肩に乗せ、黒藤は校舎へ戻る。

「黒ちゃん」

「黒藤様」

途中で、黒藤を待っていたらしい真紅と架に行き会った。

「おー。なんか悪かったな」

「おわかりならば奇怪な行動は控えていただけると」

「おわかりだったら俺も苦労しねーのよ」

つーか奇怪な行動って。

小路の従家であっても真紅につくと宣言している架は黒藤に厳しい。

「黒ちゃん」

……なんか真紅、にこにこしてるけどオーラがどす黒いんだが……。

思わず顔がひきつる当代最強。