「えーと、いまいち話が見えてこないんですけど・・、恐竜の事だったら専門家の人を呼んだ方が良かったんじゃ?」

 「僕だって最初は専門家の人を呼んださ!!でも、専門家の人が話す内容は、やれ『この恐竜は今のこの生物の遺伝子に似ている』とか『この恐竜は薬になるかもしれなかった』とか、ロマンが分かっていない人が多かったんだよ!!」

 あー、そりゃあ仕事として恐竜の生体について調べている人と話せばそうなるわな。

 「じゃあ、恐竜について趣味を持っている人は?」

 「・・・・君の身近な人にそんな人居たかい?ん??」

 現代の技術を使えば、VRとかで恐竜を再現出来るだろう。だが、趣味でやっている人はいないな。あれは、アミューズメントパークとかで人を集める為にやっている物だ。
 趣味で再現していたら、余程のマニアだろうな。

 「最終手段として、恐竜に一番興味を持つ年頃の、保育園や幼稚園の子も呼んでみたんだ!だけど、すぐに飽きる子が多くて、会話にならなかったんだ!」

 おおぅ、とうとう子供まで呼んだのか。外見が子供なだけに、話が合いそうだが一応神様だからな。

 「それで、何で俺が呼ばれたんだ?特に恐竜に対して趣味のような物を持っていたことは無いんだが。あれっ?もしかして!!」

 「そうだよ!『恐竜キング』。君やってたでしょ?あれ面白いよね!!発売された時、急いで下界に降りたよねー!!」

 「マジか・・。たまたま『恐竜キング』を見つけて、久しぶりにやっただけなのに・・・。」

 「記憶に無いだろうけど君、余程の恐竜好きみたいだね。あんなにも白熱した談義は久しぶりだったよ!!」

 何してんだ過去の俺!!
 何故だ!久しぶりに『恐竜キング』やったせいなのか!!

 「そしたら君、異世界に行きたいとか言い出したからさぁ。理由を聞いてみたら、『地球に恐竜が存在しないなら、せめて似たような生物が居るような世界に行きたい』って言うじゃん?」

 「確かに俺は小さい頃、恐竜に憧れた。存在しないと言われた時、思わず泣きだしてしまったくらいな。てっきり諦めがついたと思っていたが、そうか・・。」

 「という訳でこの世界に連れて来たんだ。でも、残念ながら恐竜のような生物は中々いなくてね、そこで君のスキルだ!!」

 「あー、この『ダイナソー』ってやつと『恐竜図鑑』ってやつか。」

 「そうそう!!一応、この世界には『テイマー』と呼ばれる職業があってね。その人達は魔物を使役できるんだけど、君の場合は恐竜を召喚して使役出来るんだ!!」