「気付いたのは講習の初日だ。
あんたのシャーペンを拾って渡したときに、あんたのノートが目に入ったんだ。
……驚いたよ、筆跡が同じだったから」
切なげに目を細められれば
私の鼓動はこれでもかってくらい早くなる。
どうしよう、
耳が追いついていかない…っ
それでも彼は
私を気遣うことなく話してゆく。
「何度となくあんたの筆跡を見てきたんだ。
何度も繰り返し目に焼き付けた!!
……見間違うはずなんて、ないんだよ。
講習であんただと気付いた俺は、
あんたがシャーペンを落とすたびに拾った。
……他のやつになんて、絶対に拾わせない。
あんたが……好きで、仕方がないんだよ、俺は」
ああ、神様。
いま、この瞬間に時間を止めてくれたってかまわない。
わたしは、この人のことが、
いま堪らなく愛おしい。


