けれどすぐにチャイムが鳴って 友達が席まで来てしまい、 結局その文章を直さないまま 私は化学室を後にした。 次の日は化学がなかった。 まるで一日の唯一の楽しみを 奪われたかのようだ。 でも昨日の長文に 相手が引いてたらやだなぁ。 ……見たいな。 あのひとはどんなことを 今日は書いてくれたんだろう? ノートを開きたい衝動が抑えられなかった。 だから放課後、 誰もいない化学室に私は足を運んだ。